ブックタイトルkaigaitankentai_10_shuusei
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24サバはノルウェーで3 番目に多く漁獲される魚であり、日本にとっても和食文化に欠かせない魚であるということからも分かるように、サバは両国にとって重要な魚です。現在、サバは加工されず丸ごと冷凍してノルウェーから輸出されることが多いですが、自国で加工すれば付加価値がつき、未利用部分を除くことで輸送費を削減することができます。今回はそのようなバックグラウンドの下に研修を行いました。研修では、1 年間冷凍保存した真空パックのフィレとグレージング加工したフィレに対して、下記の3 項目の試験を行い、保存方法の違いによる品質の差を調査しました。身割れの度合いの調査ではルーブリック評価を用い、試料1 切れずつ目視で身割れの数や大きさを数えました。結果、真空パックでは小さい身割れの方が多かったものの、グレージング加工したフィレでは大きい身割れが目立ちました。よって身割れの観点では真空パックの方が良い、という結論になりました。色素分析では、フィレの色素を PC ソフトを用いて数値で表し分析しました。実験の結果、真空パック包装したフィレの方が赤みは強く、グレージング加工したフィレは黄色みが強いということがわかりました。黄色いということは酸化が進んでいるということを意味するため、真空パックの方が鮮度は保たれるということがわかりました。テクスチャー分析では、圧縮試験でフィレの弾性を測定しました。弾性が小さいということは筋肉の軟化が始まっているということを意味するため、大きい方が鮮度は保たれているということになります。しかし、今回の実験では保存方法の違いによって有意な弾性の違いは見られず、圧縮試験では十分に品質の違いを評価できないという結論になりました。今回の実験を通して、見た目(身割れ、色)の観点では真空パックの方が保存性に優れているということがわかりました。しかし、我々日本人がサバを購入する際には栄養面や味、値段など様々な要素を考慮するため、さらに研究をしていかなければならないと感じました。この研修を通じて、様々な分野の専門家の方々と交流することができ、知識の幅を広げることができました。さらに、今まで大学の講義で習った専門知識を実際に応用することができ、研究の楽しさを味わうことができました。研究者として働くこと、海外で働くということについて知れたことは、私たちにとって貴重な経験になりました。 今後もノルウェーで学んだことを忘れずに生活していこうと思います。細井 萌Nofima (1)