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概要

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21Vietnam Association of Seafood Exportersand Producers(ベトナム水産協会通称VASEP)では、3 日間に分けて研修が行われました。非政府組織でありながら、ベトナムの水産企業の発展を支援し、利益の向上を図る役割を担っています。VASEP は、養殖魚の生産性の向上に努めるだけでなく、輸出先の国での風評被害を払拭するための普及活動を行うなど、活動範囲は様々です。そのため、本報告書には載せきれないほど、驚きや発見があった濃密な研修となりました。1 日目はVASEP の役割について、2 日目はWeb 上にある水産関連の情報リソースを紹介していただきました。その中で最も興味深かった内容は、パンガシウスという養殖魚についてです。渡航前にパンガシウスのプレゼンテーションを行っていたベトナムチームは、現地の方にお話を聞くことで、パンガシウスの養殖についての理解をより深め、その現状や問題点を知ることができました。たとえば、パンガシウスは価格が安いために、貿易相手国内で、パンガシウスに関する根も葉もない情報が流れているという問題です。VASEP では安全を証明するため、認証を取得するなどして1 つ1 つの問題に対処しているそうです。3 日目には、VASEP のボスと呼ばれているマネージャーが、インタビューに応じてくださいました。数日後に、水産業界の展示会を控えていたにも関わらず、わざわざお時間を作ってくださったのです。そんな中、私たちが感動の佳境を迎えたのは、本研修の受け入れ理由を知った時でした。どんな話にも熱意あふれるボスが、「私の考えを知ってほしい。そして、君達にはベトナムと日本のつながりをもっと深めるための架け橋になってほしい。」と私たちに伝えた時、言葉にはできない嬉しさがこみ上げ、その気持ちになんとか応えられないだろうかと思うようになりました。案外知られていませんが、ベトナムと日本には、伝統的なつながりがあり、我々の想像以上に、日本と関わりを持ちたいと思うベトナム人がたくさんいます。やはり、現地で直接見聞きすることでしか知り得ない内容は、計り知れないほどあるのだと感じました。VASEP では、社員の皆さんとオフィスでのランチをご一緒させていただき、ベトナムでの生活や食文化について多くのお話もできました。最終日には、お世話になった方々全員へ挨拶することができ、名残惜しいほどの別れでした。それほど、色々な経験をさせていただけたことの証拠でもあります。ベトナムなまりの英語に苦戦しながらも、リーダーとしてチームの意見をまとめ、水産業の現状についての情報共有ができたことを光栄に思っています。マネージャーのインタビューからも分かるように、日本人が思う以上に、ベトナム人は日本とのつながりを大切にしたいと考えています。輸出入だけでなく、情報交換や技術協力を含め、より良い相互関係を生み出していきたいです。佐伯莉菜VASEP