ブックタイトルkaigaitankentai_11
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kaigaitankentai_11
78 日間、私と陽菜子はQian Hu(チェンフー)で研修を行いました。Qian Hu は観賞魚の養殖から輸出まで行う、シンガポール最大規模の観賞魚ファームの1 つであり、顧客は国内のローカルショップからヨーロッパ・南アメリカまでと、世界中に分布しています。そんなQian Hu は、時に1,000 種もの観賞魚を扱います。初日には施設見学をさせていただき、どのようにして世界を相手にビジネスをしているのかを感じ取ることができました。高級魚として知られるアロワナや、エンゼルフィッシュの養殖を行う施設、さらにQian Hu に訪れた人が楽しめるフィッシュスパもあり、魚以外の生き物のための飼育グッズも販売していました。また、私たちが研修をしていた時に、QianHu の見学に訪れる、現地の幼稚園団体を何度か見かけました。世界だけでなくローカルのお客さんも大切にするQian Hu の思いを感じました。研修内容は、主に観賞魚を輸出するまでの工程を行うことでした。輸入された、あるいは養殖した観賞魚の入った水槽を探し、注文された数だけの観賞魚をビニールの袋に詰める。そして、魚の呼吸に必要な酸素で袋を満たし、トラックに積む、という作業をほぼ毎日行いました。これらの作業を行う中で、Qian Hu では多くの工夫が施されていることを知りました。まず、魚を飼育するのに最も大切だといわれている水槽の水は、自社で開発した浄水器で循環させていました。また、だれが見ても分かるようなマークが利用されていたり、自分の持ち場を離れるときには連絡を入れたりと、情報の共有が簡単に行えるようになっていました。さらに、国外に輸出するにあたり、魚の状態には特に気を配らなければなりません。魚種ごとに、異なる濃度の薬品を投与して魚の免疫力を高め、輸出先ごとに袋に詰める酸素量を変えていました。このようにして、世界中にいる顧客に対し、責任をもって観賞魚を届けているのだ、ということを学びました。Qian Hu の方々は皆さんとてもフレンドリーで優しく、私たちのつたない英語での質問にも、丁寧に答えてくださりました。もともと魚の知識もほとんどなく、企業研修の経験もなかった私たちでしたが、どんな時も快く対応してくれたことで緊張もほぐれ、多くのことを学ぶことができました。また、今回私たちの担当だった方に、あなたたちもQian Hu の家族よ、と声をかけてもらった時はうれしく、より一層研修に行くことが楽しみになりました。8 日間通ったことで、Qian Hu で働くすべての方が笑顔で、そして生き生きとしている理由が分かったような気がします。ここで学んだことや感じたことを忘れないよう、私は日本に帰って観賞魚を飼育し始めました。残りの大学生活で、さらに多くのことを経験していきたいです。岡本沙南Qian Hu