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概要

kaigaitankentai_12

1第12 期海外探検隊プログラムを終えて小松俊明(担当教員)海外探検隊の派遣時期は毎年夏(8 月)と春(3 月)の年2 回であるが、それぞれに特徴がある。第12 期生は春派遣だが、この時期は夏場に海で行う海洋大独自の実習の数が減ることから、海外探検隊に参加するなら春派遣と最初から決めている学生もいる。また大学生になったばかりの新入生でも、春派遣の場合は大学生活を1 年終えたタイミングであるため、大学生活そのものにも慣れ、入学当初に見られたような初々しさに落ち着きが加わってきた学生も多い。ちなみに海外探検隊の夏派遣には入学間もない1 年生の応募が多いため、学生の雰囲気は春派遣とは異なる。また、就活の結果がひと段落した4 年生の参加もある場合があり、夏派遣のチームは学年の幅が広がる傾向がある。このように一般的な傾向が顕著にみられる夏派遣と春派遣だが、12 期生の特徴として印象深いのは、海外大学の研究室で活動するリサーチプログラム(タイ、台湾等)にたいして、実にたくさんの1 年生が挑戦してくれたことである。海洋大の学びの現状としては、まだかなり基礎的な内容の座学を中心とした授業が多い下級生が、研究室に所属する海外の大学院生と一緒に日々を過ごし、各種実験やフィールドワーク、サンプリングなど地道な研究活動の輪に加えて頂けたことは大変有意義だったはずだ。実際そのことは多くの学生が、これまでに何度も指摘している。3 年生、4 年生になる前に実際に研究室に滞在したことで自分の視野が広がり、研究活動への関心が深まったということからも、専門分野が定まる前の若い学生達には今後も積極的にリサーチプログラムに挑戦してほしい。世界は今、ますます相互依存度を増している。複雑化する社会問題は国境を超えた問題となり、多様な文化的背景を持つ国家同士が、互いに協力しながら粘り強く交渉をするしか解決の方法はない。海外探検隊がグローバル人材を育成するプログラムとして目指しているのは、高い問題解決能力を発揮して世の中を良くしていこうという貢献意欲の高い若者を育てることであり、多様な価値観を柔軟に受容できる人格と行動規範を身に着けることである。自国だけ、自分だけが得をすればいいという考え方とは180 度異なるアプローチである。いつの時代も、やる気のある若者にはチャンスが訪れる。未熟でもいい、経験不足でもいい。若者は野心的であってほしい。自分を信じることができない、失敗を恐れて慎重になりすぎる、周りがどう思うかばかりが気になり、過剰な忖度(そんたく)を繰り返す、若者にはそのように小さくまとまってほしくない。無難に普通に生きる、そんなことがいい具合にできるなら誰も苦労はしない。まずは積極的に未知の世界に飛び込むべきだ。若者は大きな世界に目を向けて自分のポテンシャルを信じて今日を生きよう。