ブックタイトルkaigaitankentai_12
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kaigaitankentai_12
54海洋資源エネルギー学科2年湯川舜士アイルランドプログラム今日の午前中をもって DCU でのすべての授業を終え、午後は Japan day ということで教室を貸し切り日本の文化を少し紹介しました。まずは、私と大輝のいたクラスについて話します。このクラスは、日本人が9 人、フランス人が1 人、中国人が1 人で構成されていました。そこに私と大輝、コロンビア人が加わる形で始まりました。最初に教室に入ったときに感じた雰囲気は少なくともよいものではありませんでした。そこには消極的な7 人の日本人と、よく発言するフランス人、という光景が見受けられました。休憩時間も日本人は日本人同士で話し、輪を広げようとしない。フランス人と中国人も仕方なく携帯をいじっている。私と大輝はこの雰囲気に流されまいと抵抗することを誓ったのです。これはほかのメンバーも同じでした。「クラスには多くの日本人がいる。これは思い描いていたものではない。でも私たちは少ない時間で多くのことを学び成長しなければいけない。だからこの中でも自分にできることをやりきり、悔いを残さないようにしよう」私たちは毎昼休みに集まって近況報告をし、互いを刺激し合いました。そこでは毎日みんなが必死に抵抗していることがわかりました。私と大輝も負けませんでした。幸いなことにこちらの授業ではペアワークやグループワークが多く相手への興味を示し、コミュニケートすることは容易でした。ただ出された課題をこなすのではなく、ジョークや質問をガンガンしました。先生からのコメントもしっかり聞いてたくさん発言しました。休憩時間は極力多くの人と話しました。すると、私たちに感化されたのか(?)最初日本語で話していた日本人もフランス人と、コロンビア人と、中国人と英語で、笑顔で、話すようになりました。わざわざ留学しているのだから意識が低いわけがないと信じていたのでこれはとてもうれしい変化でした。そして私たちの最終日となった今日、クラスのみんなで一緒に写真を撮ろうと言い出したのは私たちではない、ほかの日本人でした。日本人は奥手で、流されやすい。これはよく言われる言葉で、最初私もそう感じました。でも日本人だって捨てたものじゃない、ということを示せたのではないかなと思います。そして午後の Japan day 。多くの人が訪れてくれてとてもうれしかったです。クラスメイトも何人か来てくれました。私はアイルランド、ドイツ、フランス、インド、カタール、サウジアラビア、マレーシア、韓国、中国、コロンビアの人と話しました。こんなにもたくさんの国の人と話したのははじめてで、とてもいい経験でした。みんな日本に興味を持ってくれていて、また、みんなすごく真剣に話を聞いてくれるし、よく笑ってくれたのが印象的でした。同意するのではなく、理解し、受け入れる。とくに、クラスメイトのコロンビア人と中国人とは本当に仲良くなれ、分かり合うために出身の違いは大きな障害にはなりえないということを身をもって実感しました。今日という日を終えて、私はクラスメイトと別れる寂しさを感じるとともにやれることをやり切った満足感をかみしめています。そしてそれはほかのメンバーも同じなのを知っています。なぜなら彼らはみんな今日、どこか満たされたような、やり切ったような表情をしていたからです。そして私たちはお互いにそれぞれがどれだけ挑戦していたかを知っているからです。本当にこの隊に参加してよかったと思っています。まだあと3 日、授業はない中でもやれることはたくさんあります。3 日後は、みんなが今日よりもっと満足した表情をしていることを誓います。(2019 年3 月15 日)日報抜粋版