ブックタイトルkaigaitankentai_12
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kaigaitankentai_12
6魚の体内に潜む異変を調べるために、食用魚を解剖している写真です。多くの寄生虫や内臓の異変を観察することができました。湯本景子Apollo Aquariumこの企業は、観賞魚の輸出・輸入、食用魚の販売を行っています。シンガポールがアジアのハブ地域である利点を活かし、様々な国に魚を提供しています。この研修で学んだことは何か。この質問を受けた際、真っ先に思いつくことは、基本動作の正確性です。Apollo Aquarium では、様々な作業をやらせていただきました。魚の餌やり、水槽の掃除、寄生虫の観察。これらすべての作業において言えることは、怠ってはいけない重要な工程であるということです。今回の研修で、特に印象に残っていることは、水槽の点検作業です。まず、死んだ魚がいるかどうかを確認し、網を用いて取り除きます。その後、酸素ポンプが正常に稼働しているかを確認します。この作業について説明していただいた際、私はこの作業を簡単に考えていました。しかし、実際は死んだ魚を見つける作業は非常に難しかったのです。一見、死んでいるように見える魚が、実は生きており、間違えて取り除きそうになったことがありました。それだけでなく、水槽の水をかき混ぜると、死んだ魚が浮いてきたこともありました。従業員の方が素早くこなせる、簡単そうに見える作業も、私にとっては難しい作業だったのです。従業員の方は、この作業を10 分程度で終わらせます。一方、私がこの点検作業を行うと、1時間半もかかりました。この数字だけを見ても、私が如何に作業が捗らなかったのかがよくわかることでしょう。また、作業に時間がかかったのみならず、私の作業には正確性が足りていませんでした。私が水槽を点検をした後、従業員の方がたくさんの死んだ魚を発見したのです。私はこの作業を通して、初めて自分の不甲斐なさを感じました。それまでは、私は特に大きな失敗をすることなく、すべての物事を上手くこなせていると自負していました。しかし、Apollo Aquarium で、自らの挫折を経験したのです。この経験を日報に書いた際、小松先生から一生の宝となるような言葉を掛けていただきました。「どこの世界でも新人は基本中の基本を繰り返し叩き込まれます。それを完璧にこなし、基本の大切さの本質を理解した人だけ、その次のステップに進めるのでしょう。」私はApollo Aquarium、この水槽の点検作業をはじめ、基本作業を経験し、社会常識の一端を、僅かながら身につけることができました。さらに、困難を目の前にして、解決策を導こうと努力することができました。ApolloAquarium での研修は、自己に足りないものを見極め、自己を見つめ直す良いきっかけになったと思います。最後に、お世話になったすべての方に、御礼申し上げます。ありがとうございました。