ブックタイトルkaigaitankentai_13
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kaigaitankentai_13
10写真は、飼育している魚に寄生虫がついていないか、また何か異常はないかを調べるために解剖を行っている様子です。相馬美聡Apollo Aquariumこの企業は、輸入した観賞魚を世界各国に販売したり、食用魚を養殖したりしています。今回私たちはいくつかの企業や施設に伺いましたが、そのうちの一つの企業であるApolloでの活動についてご報告致します。Apollo は、観賞魚の販売及び食用魚の養殖、販売を行っている企業です。私たち4人は男女2人ずつに分かれ、それぞれ3日間または2日間の研修を行い、私たち女子班は3日間の研修を行いました。Apollo の皆様は3日間さまざまなプログラムを組んでくださり、私たちはシンガポールにおける魚に関わる仕事をさまざまな視点から見ることができました。前述したとおり、この企業では大きく分けると観賞魚と食用魚の二つのセクションがありますが、今回は食用魚について主に書きます。シンガポールでは、水産業はあまり盛んではありません。しかし、国民一人が年間に消費する魚介類の量はアメリカやカナダとほぼ同じです。つまり、国内で消費される大半の魚介類は輸入により賄われているのです。これに対してApollo ではHybrid grouper というハタの仲間を養殖し、販売しています。私たちは、養殖をする際にやらなければならない仕事をたくさん体験しました。水槽の掃除や餌やりをはじめ、魚を解剖することで異常がないかを確かめたり、水質チェックも行いました。またApollo では、養殖の際に懸念される水質汚染についてある方法を使って取り組んでいました。それがRAS(Recirculating AquacultureSystem)です。簡単に言うと、使用した水をすべてきれいにし、外部に流すことなく再利用するシステムのことです。こうすることで、餌の残りや魚が排出するアンモニアなどの環境に悪影響を及ぼす物質が海に流出することを防ぐことができます。私はこれらのことを体験し、これからの水産業について考えてみました。日本では、養殖をする際の環境に対する影響について様々な懸念があります。そのうちの一つが、まさにApolloで対策が取られていた、餌の残りなどの影響についてです。日本では海上での養殖を簡単に行うことができるため、養殖をする際は海上で行うことが一般的です。しかしこれでは環境への対策をとることが困難です。このまま対策をとらなければ環境への負荷は増す一方でしょう。今回シンガポールに行ったことで、早い時期にこのような問題を考えることができたのはとても良い経験となりました。この研修に携わってくださった皆様に心からの感謝を伝えたいです。