ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

kaigaitankentai_13

24研究室のDang教授と藻の培養室にて撮った写真です。内藤 彩VASTVietnam Academy of Science and Technology (ベトナム科学技術研究所)。VAST は日本でいう理化学研究所のようなところで、学生たちはすべて、修士課程か博士課程の学生です。私たちベトナム隊は8月5日から5日間、VAST のAlgal Biotechnology Lab での研修に参加しました。この研究室は、顕微鏡を使わなければ見えないような微細藻類(microalgae)について研究しています。様々な種類の微細藻類を培養し、有用性を見つけ、食料や化粧品などに応用しているそうです。研修初日、私たちは近くの湖に行き微細藻類のサンプル採集を行いました。プランクトンネットという網目の細かいネットを遠くに飛ばし、水面のゴミを避けて採集するという作業を繰り返し行いました。そのサンプルを持ち帰り、遠心分離した後、顕微鏡で観察しました。多種多様な植物プランクトンが存在しており、皆興味津々に顕微鏡をのぞいていました。水の中の微細藻類を調べることによって、水質や水中環境がわかることを学びました。私たちは、微細藻類を理解するために、タンパク質、脂質、炭水化物の含有量の調査を行いました。藻類の種類によってその割合が異なるため、これによって種類の判別を行います。この調査では、小さな単位での計量があり、蓋付きのマイクロ電子量りを使用して慎重に計量をしました。また、分光光度計を使用したり、すり鉢と乳棒で細かく砕いたりするなどかなり手間がかかり、研究の大変さを感じました。培養実験では、使用する機材に菌が混じらないように、高温高圧で滅菌したり、クリーンベンチでUV 光を照射するなど、徹底した管理が行われていました。培養の際には、海外探検隊の先輩方が培養された種類を使用しました。先輩方の話を嬉しそうに話していて、快く受け入れてくださっていることに感銘を受けました。今回のVAST での研修では、私たちがまだ学部下級生ということもあり、一から丁寧に研究方法などを教えてくださいました。普段、経験できないような専門的な実験をすることができ、普通の学生より一歩先に進めたという優越感を感じると共に、そのような貴重な体験を海外ですることができたということに、とても価値があったと思います。特にこの研究室のメンバーは女性のみで構成されており、なかには子育てをされながら研究に励んでいる方もいらっしゃいました。そこにベトナムの強さ、意欲の高さを感じました。日本では未だに、学業や仕事における子育て支援が十分ではないように感じます。女性の社会進出を支援し、環境を整えていくべきだと、この研究室での研修を通して考えました。