ブックタイトルkaigaitankentai_13
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kaigaitankentai_13
36研究室のMing-Huei Chang 教授と学生と、成果報告会後に撮った写真です。中里優希台湾大学海洋研究所(3)国立台湾大学海洋学研究所は、台湾大学の海洋学研究の中心となる施設です。物理、地学、生物学を中心に多くの研究室が存在します。私が所属した研究室は、Ocean ProcessAnalysis Lab というラボです。ここでは、台湾周辺の波や、台湾に接近することの多い台風など、台湾に関連した海洋物理学的事象のデータを集め、コンピューター言語を用いて解析し、パターン化することを目的としています。私は、Internal solitary wave(ISW)という、潮の満ち引きにより生じる、異なる性質を持つ海水の境界面に発生する波とそれによる効果を、Matlab というソフトを用いて調べるということを行いました。Matlab を1週間学び、その後の2 週間で実践に移るのですが、学んでいる間に感じたのは、質問することの難しさです。事前に、理解できないことがあったら積極的に質問しようと決意していたのですが、多くの質問をするためにはそれなりの理解が必要であり、英語で新たなことを学ぶ難しさを感じました。基礎が身に付くとすぐに実践に入り、まずは最終目標の手助けとなる、衛星画像から様々なデータを含むビデオを作成しました。ここではやるべきことがはっきりしていたので、積極的に質問をすることができました。最終目標として挙げられていたのは、ISWをプロットし、その速度を求め、時間変化から法則を見出すことでした。この目標は、それまでの目標と異なり、自分でどのようにしてISWをプロットし、その速度を求めるか自分で考えて、見つけなければいけませんでした。そのため、アドバイスを求めるときも、自分がどのようにしたいのかということがはっきりと説明できなくてはいけませんでした。教授やアシスタントの学生に、自分のしたいことを実現するのに必要なMatlab の機能を教えてもらい、最終的にはその速度を求めることができました。滞在中に一度、アメリカから来た研究者のプレゼンを聞く機会がありました。台湾大学の学生の、プレゼンが終わり解散した後も、自らその研究者に自分の研究へのアドバイスなどを求めに行く姿や、学生同士で感想を述べあう姿が印象的でした。また、彼らの英語力の高さも、良い刺激になりました。研修の最後に、日本台湾交流協会での成果報告会を行いました。この時、教授からプレゼンへのアドバイスをいただいたことで、このプレゼンは最終地点ではなく、あくまでスタートの段階であるということに気づきました。プレゼンが終わり、そこでひと段落を付けず、改善を重ねて、自分の研究とその発表をより良くしていくという、研究室の学生の活動を体感できる経験であったと思います。この体験を1 年生でできたことで、今後どのようにして自身のスキルを伸ばしていくのか、その方法がわかったように思います。