ブックタイトルkaigaitankentai_13
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41写真は松島と外岡が、工場内でサバのサイズに基づく仕分け工程を見学した際のものです。外岡拓馬PelagiaPelagia はベルゲンに本社を構える水産会社です。Pelagic Fish と呼ばれる魚種、具体的にはサバやアジを扱う企業であり、この分野では世界トップの生産量を誇ります。Pelagia では、松島・外岡の男子2名が研修を行いました。5日間の研修では、ベルゲンにある本社、それから食用製品の工場、飼料用製品の工場の3つを主に訪問させていただきました。まず本社にて各部門の責任者より、経営面の戦略やPelagia の強み、またノルウェーの漁業の歴史などを教えていただきました。またオフィスから見る景色からは、従業員の方々の業務に取り組む姿勢を学ぶことができました。ノルウェーの社会人の多くは業務を3時から4時あたりで終了し帰宅となるそうです。ランチをとったらすぐに仕事に向かう姿や、任された分野に対する極めて豊富な知識などから、有限な時間を最大限活用し、より効率的に仕事に向かう姿を感じ取ることができました。食用製品の工場では、鯖の加工を実際に見学することができました。ここでは、魚の品質管理が徹底されている印象を持ちました。パッキングをした中から一部をカットして目視で品質を確かめるという工程がありました。魚の体色・目の色・エラの色・エラの匂い・腹のなかの5つのポイントをチェックしなければならず、ベテランの方の裁き術は到底真似できるものではなく、非常に難しかったです。また、鯖を買い付けに来た日本のバイヤーと台湾のバイヤーにお会いしました。少し話を聞いてみると、世界各国で魚が食べられるようになり、日本は買い負けている現状があるということを知り、危機感を感じました。飼料用製品の工場ではPelagia の企業理念への熱量を実感しました。Pelagia では「It’s allabout the fish」という企業理念のもと魚を100%利用することを徹底しています。私たちが訪れた工場では特殊な乾燥システムを利用し食用に加工される工程で出た一部を飼料にしていました。サステナビリティを重視したビジネスモデルを、身をもって学ぶことができました。最後にPelagia での研修を通じて日本の水産会社の企業責任について述べたいと思います。Pelagia だけでなく、ノルウェーの水産業界はサステナビリティへの意識が高く、また消費者も同じように意識が高いという印象を持ちました。日本を見てみると、島国という地形から、古くより海からの恩恵を受けてきたにもかかわらず、持続可能な生産への意識はまだまだのように思います。水産業を学ぶ私たちが社会に出てどのような形で貢献していけば良いか、改めて考える良いきっかけとなりました。