ブックタイトルkaigaitankentai_14
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12「シンガポールがいかに多様であるか、実感してくる。」これは、海外探検隊における私のテーマの一つです。なぜなら、多民族、多宗教、多文化な国と言われているシンガポールの、この「多」という感覚が、日本で生まれ育ってきた私にとって不思議に思えたからです。そのため今回は、シンガポールの多民族、多宗教、多文化という面において、それぞれ私が感じたことについて述べたいと思います。まず、多民族という面についてですが、私がシンガポールに対して感じたことは、自分が浮いていないということです。シンガポールは、主に中国系、マレー系、インド系の人々によって構成されており、そのほかにも欧米やミャンマー、バングラデシュからの外国人が住んでいます。そのため、相手がどこの誰であるのかを気にすることがなく、包括してシンガポールの人だと思うことができ、対して自分も現地の人のような心持ちでいられました。しかしそれは、日本にいた際私が、無意識に相手が日本人かそうでないかを判断していたことを表していました。判断するということは、線引きをすることにつながり、それはとても住みづらい環境を作っています。浮いていないと思える環境を相手に与えられる人でありたいと思いました。続いて、多宗教という面についてですが、シンガポールの人々は、自分が信ずるものをしっかり持っていながらも、同時に相手のものも受け入れており、私のように、ただ受け入れているのではないところに違いを感じました。また、このことについてJapanCreative Centre の副田景子様にお話を伺った際、「シンガポールではギブアンドテイクであるから、同じ場所でインド系の住民が結婚式を挙げ、中国系の住民が葬式を行う。大事なのは自分の主張を持ち、かつ相手を敬い、受け入れることができる器を持つこと。」というお言葉をいただきました。私は、このお話が全てを表すと思いました。自分を持っているからこそ相手を受け入れられるのであり、相手も自分が受け入れられたと感じることができる、このことを忘れずにいたいです。最後に、多文化という面についてですが、シンガポールは東京23 区と同程度の面積であるにもかかわらず、訪れる場所によってその雰囲気がガラリと変わります。宗教ごとの違いもあれば、東洋と西洋の混在なども見られて正直まだ堪能しきれていないです。日本とは違い色使いもカラフルでしたし、地震も起こらないためマンション、オフィスビル、ホテルなどどの建物も建築デザインが画一的でなく、そういった面でも多文化的でした。今回私は、シンガポールの多様性について重きを置いて一ヶ月を過ごしましたが、そこにはグローバルとはどういったことか、ということが隠れていました。漠然としたものが急にはっきりとしてきて、今大変驚いています。海外探検隊に参加できたからこその、この経験を、必ず次に繋げます。海外探検隊報告書梶原彩夏海外探検隊報告書梶原彩夏