ブックタイトルkaigaitankentai_14
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kaigaitankentai_14
2014 期アイルランド隊として派遣していただきました、中森美希です。今回は、隊のリーダーを務めました。とはいえ、メンバー皆優秀で、さほどリーダーとしての仕事を求められることはありませんでしたが。どうしたらよいかわからなくなる場面もありましたが、お互いよくコミュニケーションをとり、切り抜けることができました。みんな、ありがとう。今回の派遣の目的は、Dublin CityUniversity (DCU)での語学留学です。最も印象に残ったのは、3 月11 日の出来事です。東日本大震災から9 年が経ちますね。あの悲惨な災害のこと、決して忘れてはならないと思います。地震が来た時のこと、未だに覚えています。揺れが収まった後、まず私がした行動は、水槽のガラスの蓋を床に下ろすことでした。その時から私は、海洋大生になることが決まっていました。2020 年の3 月11 日も、いつも通りDCUへ通いました。授業では、家族がテーマでした。自分の家族について友達に話す、という時間がありました。その時に最も驚いたのは、バングラデシュ人の女性の話でした。I havetwo mothers. と言われた時、え?とカルチャーショックでした。彼女の国では、一夫多妻制だそうです。彼女の母は、彼女が7 歳の時に亡くなってしまったそうですが、義理の母とは仲良くしており、家族の中で最も仲がよいのは義姉だと言っていました。驚きました。腹違いの姉妹と仲良くするのは難しいと思っていましたが、彼女は家を離れたくないと言っていました。義理の母には7 人の娘と1 人の息子がおり、そのうち5 人の娘は結婚し家を離れたそうです。つまり彼女は、母国では実父と義母、そして2 人の姉妹、1 人の弟と一緒に暮らしているそうです。他にも、女性は結婚したら1 人では外出できないのだそうです。昔テレビでその事を知り驚きましたが、実際にそのような境遇の方に出会うのは初めてでした。彼女はそれに反対で、私は一生結婚しない、と言っていました。私は、週に何回家族と一緒にご飯を食べるか?という話題になった時、大学生になってからの私生活を反省しました。多い時は週7回外食をしていた時もあったと思います。毎日のように夜10 時や11 時に帰宅、家族との会話の時間は減りました。これからはできるだけ早く帰り、家族団欒の時間を作ろうと決めました。午後は、セントパトリック大聖堂に行きました。この聖堂は、完全に観光地化されていました。教会で初めて観たものがありました。体験型展示です。大きなタッチスクリーンが置いてあり、ステンドグラスの拡大図を見ることができました。他にも、ステンドグラスや装飾品の布に触ってみたり、銅板に紙を被せて上から擦り絵を写してみたりすることができました。とても驚きました。私は学芸員を目指しています。展示方法や内容に興味があり、様々な場所で参考にしているので、この教会での展示は、大きな学びとなりました。今回は、コロナウイルスの影響により、4 週間の短期留学の予定が2 週間と短くなりました。毎日状況が変化する中、一番痛切に感じたのは、当たり前の日常があるきっかけにより一瞬にして崩れてしまうということです。学食でいつも通り食事をしていたら、学校のホームページに、本日18 時から閉鎖、という情報が出ました。いつも通り授業が終わり、友人や先生と何気なく別れたのに…。共に学んだ友人と別れを惜しむ間もなく、プログラムは終わってしまいました。寂しかったです。なるべく早く帰国しようということになり、航空券を変更しようとしました。しかし、ネットで調べると、こちらでは変更できないと、代理店と航空会社双方が言っており、絶望しました。家に帰ると、ホストファミリーの姉が咳をしていました。すると妹が、「あのこが持っていたんじゃない?」と言うのが聞こえました。あのこ、が私なのか、持っているものがコロナウイルスなのか、真相は分りませんでしたが、私は背筋がぞくっとし、部屋から出るのが怖くなってしまいました。以上のように、不測の事態に冷や汗をかくことがあ海外探検隊報告書中森美希