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概要

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26私たちアイルランド隊はアイルランドの国立大学「Dublin City University(以下DCU)」で英語学習を行なって参りました。このプログラムは海外探検隊の中でも語学研修に重きを置いているという特徴があります。私はこの留学を通し「?アイルランドという、英語をネイティブとする国でその文化的な側面に触れる」「②これまでと違う環境の中で、英語のみを用いて活路を拓くことによりグローバルな世界で生きていくための先取り」を経験することが出来ました。本報告書では、この2 点について述べさせて頂きたいと思います。DCU は非常に国際色が豊かで世界中から留学生が集まる大学でした。授業はすべて英語で行なわれ、先生や各国の留学生との会話もすべて英語で行なわれます。私のクラスにはスペイン人、ブラジル人、サウジアラビア人、韓国人の学生がいたのですが、入学初日から彼らの授業に対する文化的な違いを思い知らされます。まずはその積極性、私と同じ日本人の学生は先生に指名されるまでほとんど発言することはありません。しかし彼らはどうでしょう!そんな事お構いなしです。わかったら、思ったら、気づいたらとにかく実際に発言するのです。私が一番驚いたのは日本人学生が指名されている中、その答えを横からかっ攫うかの如く発言するということです。他のクラスのメンバーにもこのことを確認したところ、まったく同じ有様です。ふと、小松先生から渡航前にいただいたメッセージが頭をよぎります。「─英語ネイティブの国では特に注意です。発言しない学生は、『そこには存在しない』というのと同じ扱いを受けます。」このままではいけないと初日から私は気付かされました。グローバルな世界で生きていくためには、彼らのように積極的にしっかりと自己発信が出来なければならないのです。翌日からは授業の受け方を変えました。ディベートでは相手の前まで移動し意見を伝え、少しでも考えをまとめる時間を作るため小まめに質問を投げるようにしました。その結果、先生にも「Nice idea!」と言って頂けるようになりましたし、最終的には上から2 番目の「Upper」クラスに昇格するという結果も残すことが出来ました。自分の良さを出しつつグローバルスタンダードな感覚を身に付けることが出来たと思います。そのような中、忘れられない出来事が起こります。新型コロナ流行に伴う大学閉鎖とフライトキャンセルです。日本で猛威を振るっていたコロナが当国にも上陸し、私たちの留学生活は”本当に突如”終わりを告げます。帰りの手段すら奪われたのです。このような状況下で、私たちは冷静に翌日には便を変更し至急日本へ帰国するという考えをチームで共有し実行に移します。メールがだめなら電話で、電話がだめなら直接対話で、アプローチを変えながら航空会社に直接赴き、しっかりと帰国できる便へと変更手続をすることが出来ました。海外というこれまでと違う環境の中で、極めて柔軟に問題に対応し“英語のみ”を用いて自分たちの力で諸問題の解決と活路を切り拓いたのです。これは14 期アイルランド隊の素晴らしいメンバー各自がアイルランドでの生活を通し、しっかりとグローバルな人材へと成?することが出来たことを示す最大の出来事であったと思います。留学生活は当初の半分の期間で終わってしまいましたが、確かな結果と成?を持ち帰ることが出来た留学でした。この経験を将来のキャリア実現に必ず繋げます。本当にありがとうございました。海外探検隊報告書今野魁人