ブックタイトルkaigaitankentai_14
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kaigaitankentai_14
1第14 期海外探検隊を終えて第14 期海外探検隊は、2013 年に始まった海外探検隊のこれまで歴史の中で、もっとも大変な状況下にありました。いうまでもなく、新型コロナウイルスの拡大により、世界情勢が急展開したからです。この原稿を書いている4 月上旬の時点で、世界を取り巻く状況、そして日本国内においても全く先が読めず、この混乱がどのような形で収束するのか、人類は大きな挑戦と向き合っています。さて、第14 期海外探検隊は、アジア4 カ国(タイ、ベトナム、台湾、シンガポール)、欧州2 カ国(ノルウェー、アイルランド)に合計28 名を派遣する予定でしたが、出発直前にアジア3 カ国(タイ隊、ベトナム隊、台湾隊)の派遣中止が決まりました。楽しみに様々な準備を進めていた学生達のことを思えば、中止決定は断腸の思いでした。欧州の2 カ国への派遣は、後に欧州での感染拡大が急激に起きる前の時期だったこともあり、予定通りプログラムを開始したのですが、アイルランド隊は約2 週間経過したところで、現地の受け入れ先であるダブリンシティ大学が閉鎖を決定、ノルウェー隊も同様にノルウェー北極大学が早々に閉鎖を決めたため影響を受けました。誰もが急な展開に戸惑いながらも学生達は現地で情報収集を進め、自分達の安全確保を第一に考えて行動しました。制限された環境下でも自分達ができることを探して、最終的には日本への早期帰国が決まった後でさえ、最後の瞬間まで貪欲に学び続けました。今回、各隊がプログラムを全うできなかったことは大変残念ですが、世界が直面する危機的な状況下でどのように行動するか、また冷静に正しい判断をするにはどうしたらいいのか、実戦の中で学んだと思います。海外探検隊は、大学の外に出て、グローバルな社会課題と向き合うのがプログラムの趣旨ですが、そうした意味でも第14 期海外探検隊には大きな挑戦がありました。今回、派遣予定だった6 か国中、ほぼ予定通り最後までプログラムを全うできた隊が一つだけあります。それはシンガポール派遣の6 名でした。世界一、感染症対策に成功した国との評価も高く、常に安全な環境下で生活ができたシンガポール隊は、幸運にもほぼすべての企業から研修を受け入れて頂き、若干の早期帰国となったものの、この大変な時期にプログラムを全うできた奇跡の隊となりました。学生達が地道に自己管理と衛生管理を繰り返し、日々モチベーションを高く持ち、過ごしてくれたことが大きかったと思います。第14 期海外探検隊はシンガポール隊の帰国ですべて終わりましたが、まだ続く世界的な感染症拡大の中、学生達が次の挑戦に向けて歩み出してくれることを期待しています。海外探検隊プログラム担当教員 小松俊明