ブックタイトルkaigaitankentai_14
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34「精神が強くなる海外探検隊」まず始めに、新型コロナがノルウェー隊に及ぼした数々の出来事については、他のメンバーが詳しく書いていると思うので、私は少し違った面から報告書を書こうと思います。Capacity Building についてです。このことについてよく考えた事件が2つありました。1 つ目は、ロストバゲージです。ノルウェー入国後、私のスーツケースの消息は途絶え、結果、2 日間手元に返って来ませんでした。一見、さほど気にすることではないようにも思いますが、いつ返ってくるかわからないものを待ち続けるというのは、非常に苦しいものでした。しかしながら、他のメンバーが様々なものを貸してくれたおかげで、不自由のない生活を送ることができ、非常に感謝しています。2つ目はもちろん、ノルウェーから出られなくなったことです。ノルウェーなどの欧州政府では、新型コロナウイルスの感染は他国によるものであるとの考えが根深く、すぐに外国人へ向けた厳しい措置が決まり、私たちは出国できなくなってしまいました。本来であれば動揺するところですが、私たちは飛行機がなくなることはないとの情報を仕入れ、外国人の自由は他国によって制限されることは非常に難しい世の中であるため、何とかなるだろう、と考え、前向きになっていました。もし、これらの普通ではあり得ない状況を1年前の私が経験していたらどうなっていたでしょうか。昨年はタイ隊として1 ヶ月タイで研修をしましたが、同じようなことが起きたら、楽観的に考えることは愚か、冷静に考えることもできなかったと思います。タイでは私に多くの試練が与えられました。暮らしている環境や文化、言葉が違う人たちと過ごしていく1 ヶ月間は、初めて経験することが多く、我慢の連続でした。しかしながら、その事実があるおかげで、大抵のことには動じない心を手に入れることができたと感じています。これがCapacity Building ですが、小松先生によると、自分の許容範囲を知り、それを受け入れることで新たなことが許せるようになるとのことでした。要するに、無知の知を発展的にし、カッコイイ言い方にした言葉です。そして、これこそが、海外探検隊を通して誰もが経験し、多くの成?が期待できるポイントであると私は思います。このタイで得た心の持ち方のおかげで、私はノルウェーを楽観的に楽しむことが出来ました。ノルウェー隊は、全員が2 回目の探検隊参加者であるということから、それぞれが皆、前回様々な経験を通して成?した姿を発揮し、互いに支えられる良いチーム作りに励むことができました。辛い経験は、その後に起こる多くの経験を支え、心の持ち方を変えてくれます。もちろん楽観的な思考だけでは足りず、根底には冷静な判断が欠かせません。この2つは、チームとして生活をする上で、一人一人が持つべき大切な思考力であり、リーダーも、それを支えるメンバーたちも兼ね備える必要があります。今回のノルウェー隊ではそれを再認識し、また、メンバーから学ぶ考え方も多くありました。これからも心の許容範囲を広げ、成?をして、多くの人を支え、また多くの人から頼られるような存在になれるよう努力を続けたいです。次はどんな大事件が起こるのか楽しみですらあります。このような心持ちになれたことで、生きるのが楽しくなりました。人生の考え方にまで亘る、大切なことを学ぶことができたため、私たちを支えてくださった多くの方々には、心より感謝しています。海外探検隊報告書濵下莉奈