ブックタイトルkaigaitankentai_14
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kaigaitankentai_14
57<3 月16 日>本日、ノルウェーから26 日程まで帰国できないことが分かった。私たちが入国してから2週間経過しないと出国できないと、ノルウェー側が決めたためだ。このことは、昨日から薄々わかっていた事だが、いざそれが本当のことだと分かるとなんとも言えない気持ちになった。しかしながら、3日間程私の前から消えていたスーツケース(空港でロストバゲージ)は姿を現した上に、私には海外探検隊のチームという力強いメンバーがいる。心が折れることはそうないだろう。スーツケースを含めた全員で、無事に帰国できることを祈る。寮での暮らしは、寮から出ることはできないものの、とても快適だ。まず、一人一人の個室がある。そして、全員で集まれる部屋もあり、そこにはキッチンもあるのだ。私の理想の暮らしである。一人暮らしをしたことがないため、いきなり一人暮らしをするのには抵抗があったものの、親元から離れて自立したいという気持ちはあった。そのため、家では「シェアハウスをしたい」とよく嘆いていたのであった。寮から出られないことはあまり気にならない。ノルウェー隊は、全員が引きこもり気質が高く、もし私が昨日帰国できていたとしても、急な帰国でなにも予定がないため、引きこもっていただろう。つまりは、どう転んでも家の中で2 週間引きこもっていたのだ。国が違うくらい気にならない。この際、たくさんゴロゴロし、新たなことに挑戦したり、みんなとよく話して新たな考えを取り入れたりと、楽しもうと思う。ホテルから出ないように監視され、高額かつ選択肢が少ないメニューの中からご飯が支給されている小松先生と同じノルウェーにいるという感覚が段々と薄れてきている。話は変わるが、ノルウェー政府は急に政策を進めるということを嫌というほど理解した。しかもそれは全く納得できないものである。日本は、次はどういう政策が来るか予測できるのだが、ノルウェーは本当に予測できない。何故、その違いが生まれるかについて考えてみると、ノルウェー政府の考え方には濃厚接触という考えが薄いからなのではないだろうか。昨日メンバーで話したのだが、大使館からなどの情報を見ると、濃厚接触という言葉が一切出てこない。自宅待機と言われているノルウェー人は出歩いてしまって、感染者が増えている。私たちに寮から一切出るなと言いつつも、寮の人は私たちに普通に部屋に入ってきて話しかけてくる。外国への規制ばかりが強く、国内感染は外国からの感染を止めれば良いという感じが伝わってくる。だから数日間で1300 人も発症したのだろう。もちろん、気温が低い中で湿度が高いとウイルスは?生きするということも関係するとは思う。でも、1 日で200 人増えるなど、日本では見たことがなかった。日本にいると、日本の政府の対応に違和感をもつこともあった。しかしながら、発表されている検査結果では、1 日の発症者数は増加することは少なく、大体同じ人数である。これは、感染率が高い新型コロナにおいて、非常に優秀な結果であるだろう。日本は凄い。これはノルウェーに来なかったら絶対に思わなかった。もうしばらく外に出ることはできないため、身にしみて感じる体験はしにくくなるが、みんなでご飯を作ったり、ダンスをしたりなんとか楽しくやっていけそうだ。食品2・濵下莉奈/メンバー