海外探検隊 Vol.21
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日本の貿易支援や、対日投資を促進させ、日本経済や社会の発展に貢献することを目的としています。 バンコク :オリエンテーション バンセーン :ブラパ大学 海洋科学研究所 チャンタブリー:ブラパ大学 マリンテクノロジー学部 <タイプログラム研修先> 南 薫仁 JETROではタイの一般情報から経済、投資状況など幅広い内容についてお話を聞くことができ、とても貴重な経験となりました。中でも特に興味深く感じたのはタイの政治情勢についてでした。私たちがタイを訪れたときはちょうど選挙時期と重なっており、現地で頻繁に報道されていたり、デモが発生したりしていました。JETROではタイの選挙における、政治家一族が絡む問題や、野党間の連携により与野党の得票数が変動する点など複雑な背景についても学びました。また、私は日本とは異なり、若い国民の政治への関心の高さが非常に印象に残りました。日本にいるときにはデモは治安が悪い地域で起こるもので日本はデモが発生する事はほとんどないため平和だと単純に捉えていましたが、タイで発生しているデモは若者が中心であることを知り、デモが発生するというのはそれだけ国民の政治への関心が高いことを表しており、日本でほとんど発生しないというのはむしろ今問題となっている日本の特に若者の政治への関心の低さを露呈するものであり、その状況はよくない状況であるのだと私は考えました。 また、その他に私が印象に残ったことは、日本の産業的側面から見た経済についてです。特に自動車産業では、私は日本で生活してきて「車産業では日本は世界一だ」と学んできていて、日本人としてそれをどこか誇りに思っている部分がありました。しかし、それは過去の話で、現在特に中国が伸びてきているという話を聞いたり、実際に市街を中国製の自動車が走ったりしているのを見て、私が学んできた世界における日本の状況は実際には大きく異なっていることを実感しました。さらにタイでは新幹線を走らせる計画がありますが、それも中国が行っているのだと知りました。新幹線製造の技術バンコク バンセーン チャンタブリー も日本が随一でしたが、日本特有の、妥協せず質の高い物を作るという姿勢よりも、スピードを重視する中国をタイが選んだということからも、日本はグローバルな視点で見ると他国に比べて衰退していっており、世界における日本の位置は下がっていく一方であるように感じました。これから国を担っていく私たちのような若者が日本をまた見つめ直し、意識を改めて経済発展、国力増強に努めていく必要があると強く感じました。 11 オリエンテーション JETRO

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