ブラパ大学バンセーンキャンパスにある、多くの一般の観光客が来場する水族館です。主に魚類の中の海水魚類を展示しており、大型のエイやサメも見ることができます。 バンセーンにいる間お世話になった先生が、水族館の目玉である魚の餌やりショーをしている様子です。多くの人に囲まれています。 山内梨央 バンセーンキャンパスで過ごす10日間で、一番研修先となることが多かったのが、この研究所と水族館です。ここでは、実際に水族館の職員として働きながら、ブラパ大学の教授として、海水魚類の研究を行なっている方にさまざまなことを教えていただきました。 研究所の中では、講義室でスライドを見ながら基礎から応用まで幅広く海水魚類の生態や、環境問題などについての理解を深めました。魚類についてとても詳しいというわけではなく、生物学も苦手だった私は、英語でこのような内容がかなりのスピードで進んでいくのについていくことが非常に大変でした。 内容理解に苦労する私たちでしたが、小松先生の「最初にその日に学ぶ内容をできる限り予習してから挑むと理解度が変わる。さらに、英語での内容が理解できなくとも、何度も繰り返される単語があったら、先生にその単語の綴りを教えてもらいなさい。それを帰ってから調べると、その日の理解できなかった内容が少し浮かび上がる。」というアドバイスから、少しずつ先生たちの話す内容についていけるようになりました。これは日本に帰国してからも、人の話を聞く姿勢に大きな変化をもたらしました。 水族館では、日本の水族館とは大きく異なり、その魚類が生息している地域が水槽の中で可能な限り表現されていました。日本の水族館も、このようにすればその魚の生息環境の想像が膨らみ、観察が楽しくなると思います。 そしてさらに、水族館を見学する中で衝撃的であったのは、水槽の中にいる大型のエイやサメを人に慣らす訓練を行っていたことでした。 その手法としては、大型のエイやサメを大型の水槽から仕切られたスペースに移動させ、飼育員の方がエサを直接手からサメやエイの口元に持っていき、与えるというものです。見学をしていた最初のうちは、魚たちも飼育員の方に怯えている様子でしたが、見学を続けているうちに、だんだんと飼育員の方に慣れてきて、餌も積極的に食べているように見えました。このように、魚を人に慣らすことによる利点は二つほどあると考えます。一つは、魚と人が至近距離で触れ合っている様子を水槽を見学する客が見られることで、集客力が増加したり、話題性を高めたりすることができる点です。もう一つは、魚の健康状態を間近で、細かい点まで観察、分析できる点です。 このように、バンセーンキャンパスの10日間では、日本とタイにおける魚類や水産業に対する関わり方の共通性と違いを知ることができ、日本の水族館や漁村でも行われているが、知らなかったことなどもタイで深く学ぶことができました。 12 ブラパ大学 海洋科学研究所/水族館
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