海外探検隊 Vol.21
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本協会は、ベトナムの水産に携わる会社や会員をつなげるとともに、最新の水産情報を記事にして公開している非政府組織です。 VASEPの職員の方々と最終日に撮った写真です。 山田真央 VASEP(ベトナム水産輸出加工協会)では、5日目から7日目までの三日間、ベトナムの水産事情に関して学びました。最初は、スライドを用い、ベトナムの水産の特徴、問題点の説明をしていただきました。ベトナムの水産にまつわる最新情報を集め、多くの会員に提供しているVASEPだからこその豊富なデータに基づく分析があり、エビやパンガシウスといった特産品の情報から、インドやエクアドルとの価格競争の中でどう差別化を図るかというビジネス的な話まで多岐にわたるお話を伺いました。国の水産政策という大きなテーマを、実際に動かす立場にある方々からの観点により、身近な話として捉えることができ、一つ一つの分野に対して具体的イメージを持つとともに考える時間になりました。 その後は、それまでの説明やベトナムの水産全体に対して質問をしました。日本の水産事情と比較する中で、地形や温度、国としての特色によって養殖の仕方が大きく異なることがよくわかり、それぞれの国の特徴を活かした方法への理解も深まりました。そして環境の問題はやはりここでも浮かび上がり、養殖場確保のための自然破壊、乱獲といった人為的問題や、地球温暖化の影響を大きく受け、変わりつつある漁法の形もあることを知りました。質問に答えていただく時間が豊富にあったことで、ただ説明を受けて納得するという受動的な学びではなく、自分たちでさらに調べたり、情報を整理することによって疑問を見つけるという能動的な学びの機会を作れたように感じます。また、自分たちで質問しない限り、より専門的な情報は得られないという状況が、帰宅後の気になる点を挙げ合って、互いに学びを深める時間や研修の時間を無駄にしないよう、質問を分野ごとに紙にまとめるといった工夫を生み出しました。これはグループワークの基本であり、個々の好奇心を高めるとともに、互いに協力によって知識の幅を広げる相乗効果になったと考えます。 質問に対して答えていただいた後にも、この回答に関して質問はあるかと深堀りして聞いてくださるので、その場で英語の説明を正しく理解し、そのうえで疑問はないか必死に考える中で、英語のリスニング力や、情報整理力、自分の考えを簡潔にまとめる力がとても鍛えられました。職員の皆さんの、どんな質問でも優しく丁寧に答えてくださり、関連する追加情報もくださる姿から、ベトナムと日本の水産事情に関する知識はもちろん、社会に出てからも役立つ、対話力を教えていただけたように思います。 17 ベトナム水産輸出加工協会(VASEP) 写真を挿入

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