「第21期海外探検隊を終えて」 2023年7月中旬から8月中旬にかけて、第21期海外探検隊の学生10名は3つのチームに分かれて、それぞれベトナム、タイ、シンガポールで実施されたプログラムに参加した。海外探検隊プログラムは、各国で独自の内容が用意されているが、30日間の滞在は3つのパート、オリエンテーション・インターンシップ・フィールドワークで構成されている。訪問先は海洋大で学ぶ様々な分野を網羅し、学際的な学びが実現できるように特別な配慮をしている。 ■オリエンテーション プログラムの全体像を把握するために、訪問国の特徴と直面する課題の現状を包括的にとらえることが目的である。たとえば3か国に共通する訪問地として、日本の政府機関である日本貿易振興機構(通称JETRO)の現地事務所を訪れている。ここでは、当該国の政治経済、そして文化的特徴の把握につとめるのと同時に、日本企業の進出や日本人社会の形成についても詳しい情報を得ている。JETRO以外にも、シンガポールでは科学技術振興機構やジャパンクリエイティブセンターなどを訪問し、当該機関が国際的な共同研究や文化交流に果たす役割や外交努力について学ぶ。 ■インターンシップ 訪問国によって異なるが、企業、業界団体、研究所、海外大学・大学院等で1週間から2週間程度のインターンシップを経験する。全ての訪問先に共通するのは、参加する学生にとって先取り教育になっている点である。第21期海外探検隊の学生は、まだ大学では研究活動の経験がない学部2年生と3年生で構成されていたが、その学生が海外の大学・大学院、企業等の研究所で実際に研究活動に参加した。そのほか、ベトナム水産輸出加工協会では日本向けや世界市場に向けたベトナムの水産物の輸出事情、国内の水産業の現状などについて広く学ぶ機会を得ている。同インターンシップは学生の学習意欲の向上とともに、視野を広げる試みであり、海外探検隊プログラムの目玉とも言うべき、独自の内容となっている。 ■フィールドワーク 各地で多くの魅力的なフィールドワークを企画し、「百聞は一見に如かず」を実現した。その中には、受け入れ機関である海外大学が手配してくれるものと、学生達が現地で得た情報に基づき自分達で訪問を企画したものがある。たとえば大都会のシンガポールに広がる自然環境を探索するなど、学生たちの関心に基づいて現地に深く入り込む体験も含まれる。 世界に多大な影響をもたらした感染症が沈静化してきたとはいえ、様々な緊張感が存在する国際情勢の中、学生と保護者、そして国内外の全ての関係者の理解と支援を得て本プログラムが実現できたことに、この場を借りて深い感謝の意を表して本稿を結びたい。 第21期海外探検隊 担当教員 小松 俊明 / 2023年9月
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