岡田春風 ハノイ工科大学では、フードテクノロジー学科の研究室で約2週間ほどお世話になりました。 工場への訪問や研究室の学生と実験を行い、食品に関する多くのことを学びました。 研究室では、培養方法や顕微鏡を用いた観察、グラム染色法など食品微生物に関することを教えていただきました。火の近くで操作をすること、腕や道具は使う前には必ずアルコールを吹きかけることなどいくつかのことを同時に意識しなければなりませんでした。基本的な操作ですが、他の菌が混入しないように慎重に実験を行うことが難しく感じました。他に、パンやシュークリーム、月餅作りも体験しました。現地の学生たちが、各材料が製品にどのような影響を与えるか、その原理を丁寧に説明してくれました。普段何気なく口にしている食べ物も、全て計算された化学反応によって成り立っていることを再確認しました。製品の硬さや膨らみ、味などは、使用する材料の量によって大きく左右されることを、実際の実験を通じて実感しました。 また、豆乳を製造している工場や動物用のえさを製造している工場の見学も行いました。豆乳工場では、製品のサイズなど日本との規格の違いを感じました。この違いはベトナムと日本の生活や文化の違いによって生まれたものだと思いました。日本の工場にも訪問し、ベトナムの工場との比較をしたいと感じています。 現地の学生は非常に積極的な学生が多く、自ら進んで留学生の私たちに話しかけてくれました。実験後や週末には大学周辺を案内してもらいました。現地の学生と関わることで、多くの貴重で新しい経験を得ることができました。ベHUST (Hanoi University of Science and Technology) は、ベトナム最初の技術系総合大学であり、工学系の国内最高峰の大学です。 トナムは中秋節を祝う文化があり、ランタンが 飾られている屋台を見るために市街地に連れて行ってくれました。東南アジアで一番大きいと言われているHUSTの図書館にも入りました。行った観光地の説明や伝説なども教えてくださり、ベトナムの文化や歴史への理解を深めることができたと思います。同時に、自分も自国について説明できるくらい知っておかなければならないと感じました。現地の先生は面倒見がよくフレンドリーで、生徒との距離が近いという印象を受けました。現地の人達のおかげでベトナムでの生活を楽しく過ごすことができました。HUSTで学んだことを基に日本を見つめ直し、今後に活かしていきたいと思います。 8 ベトナムの伝統的な月餅を現地の人と一緒に作りました。 ハノイ工科大学フードテクノロジー学科
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