松本真優 ブラパ大学マリンテクノロジー学部では、実際にマングローブ林や農場、海を訪れ、そこで行われている取り組みや自然環境を学びました。また、自然環境についてのみではなく、現地の学生とともに寺院や教会を訪ねたり、タイ料理を作るなどをして、タイの文化について学ぶことができました。特に私は大学近くの海岸へ行き、現地の学生とともにコドラート法を用いて生物種の同定を行ったことと、タイの寺院と教会を訪れたことが印象に残っています。 コドラート法を用いた生物種の同定については、海岸のある地点から5mおきにどの生物が生息し、その数はどのくらいなのかを調べました。コドラート法とは、ある一定の大きさの方形の区画を設定し、その中に存在する生物相を調査する方法のことです。 私たちは、タイワンガザミ、アカカニ、スナガニなどを見つけることができました。これらの生物は体が小さいため、区画の中にいくつの巣があり、何匹生息しているかを調べるのは非常に集中力を必要とする作業でした。一緒に調査を行った自分と同い年の学生たちが、専門的な調査を先生の力を借りずに学生のみで進めていたことに驚きました。現地の学生の海に関する豊富な知識や積極的な姿勢に刺激を受けました。マリンテクノロジー学部での学習はこのような実践的な学びが多いため、現地の学生の豊富な知識や積極的な学習意欲につながっているのではないかと思いました。 また、私たちはタイの寺院を訪れ、そこで現地の学生に仏教徒のお祈りの仕方を教えてもらいました。神聖な空気のなか、ほとんど知らない宗教を体験することに緊張しましたが、作法のひとつひとつを教えてもらいお祈りを行うことができました。同じ仏教でも日本とは違ったマリンテクノロジー学部は、タイのチャンタブリという場所にあります。キャンパスの近くには研究所や養殖場があり、環境保全のための取り組みや海洋環境について学ぶことができます。 写真は、現地の学生とともにコドラート法を用いて生物種の同定を行っている様子です。 タイの仏教というものの雰囲気を直接感じることができ、とても心に残りました。また寺院を訪れる方々の姿を見て、タイの生活の一面を知ることができたような気がしました。次に、私たちはタイの教会を訪れました。タイは90%以上の人々が仏教徒であるということを学習したため、寺院だけでなく立派な教会もあるということに驚きました。私たちが訪れた教会は、宗教迫害から逃れてきたベトナム人キリスト教徒によって建てられたことを学びました。この教会の背景にはタイだけでなくベトナムが関わっていることに驚きました。この教会を通して、タイの歴史的背景について触れることができました。 以上のように今回の活動では、タイの自然環境について実践的な取り組みを経て学習し、また、タイの文化を体験するという貴重な経験を積むことができました。 13 フィールドワーク(チャンタブリ)
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