海外探検隊23期生報告書
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杉本彩華 私たちは、Prime Aquacultureで5日間の研修をさせていただきました。 Prime Aquacultureは魚の養殖と販売を行う企業ですが、私たちがお世話になったのは、養殖している魚の健康管理のためのワクチン開発などを行う研究室です。研修では、研究室でのワクチン開発の体験や、養殖場の見学を行いました。実際に養殖場を見学し、その水の状態や魚の病気を研究室で調べるといった体験から、研究がどのように養殖に活かされるのかを学びました。 特に印象に残ったのは、魚への負担を軽くするためにワクチンの量を少なく抑えることを目標としていたりなど、魚という命ある生き物と丁寧に向き合う姿勢です。もちろん養殖魚が無事に成長することはビジネスとしても重要ですが、ワクチン投与の際に麻酔をかけ、作業をなるべく短時間で終わらせるなどの細やかな配慮には感銘を受けました。 研究の中では、無駄をなくし、効率的に作業することの大切さと難しさを痛感しました。研究に使う道具や材料などは繰り返し使えないものも多く、その全てにコストがかかっています。そうした資源を無駄なく使い、素早く作業する研究員の方々の技には驚きました。私もいくつか作業を体験しましたが、液体をこぼしてしまったり、必要以上に使ってしまったりなど、想像以上に難しいと感じました。 ある時、マルチタスクが苦手で作業に苦戦していた私に、日本人研究員の方が「楽器演奏もマルチタスクだよね」と声をかけてくださいました。趣味である楽器演奏が実はマルチタスクだと気づくと、苦手意識を持っていた作業にも挑戦する意欲が沸きあがりました。前向きになると培地作成なども少しずつ上手くできるようPrime Aquacultureは、食用魚の養殖を行う企業で、島に水上養殖場を所有しています。また、養殖している魚の健康管理を目的とした研究室では、ワクチン開発などの研究も行っています。 になり、物事に対する向き合い方や捉え方の重要性を学びました。 また、この企業では中国語を耳にする機会が多く、シンガポール全体でも中華系の方は多いため、もっと中国語を学んでおけば良かったと後悔しました。日本人研究員の方が、わからなければ時には翻訳機を使っても良いとお話ししてくださり、ツールを活用しながらも、理解しよう、コミュニケーションを取ろうという姿勢を持つことが大切だと感じました。 今回の研修では、海外で働く日本人研究員の方をはじめとした多くの方々から様々なことを学び、国際社会で働くことに関する視野が広がりました。また、シンガポールの食料自給の一環を目の当たりにしたことは、大きな刺激となりました。1年生の段階でこのような経験ができたことを嬉しく思います。海洋政策文化学科の学生として、今回の経験から専門的な学びを深めていきたいです。また、語学スキルの重要性を実感したため、語学力を高め、今後のキャリアに活かしていきたいと感じました。 19 フィッシュファームを訪問。 Prime Aquaculture

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