海外探検隊23期生報告書
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田中仁悟 Qian Hu Aquariumは、Qian Huグループの中の主に魚の卸売りを行っている部門であり、従業員数は約50人で、その中でも職務内容によっていくつかのグループに分けられていました。私たちは、その中の魚の出荷をする方の下で3日間研修をさせていただきました。 Qian Huの一番最初の印象としては水槽が綺麗であることです。水の透明度も非常に高く、壁面の汚れも非常に少なかったです。水質は魚の体調を決める一番の要因なので、観賞魚の質に直結します。その工夫の一つが餌に生餌を使っていることです。施設内には、生餌を飼育する水槽があり、そこで育てた生餌を与えていました。生餌は魚が全て食べなかったとしても、水槽内で生き続けるため固形飼料などと比べてゴミとして残りにくいです。しかし、生餌の飼育には費用とスペースが必要なので、その分のコストがかかっても、魚の質を優先することに非常に感心しました。加えて、水槽自体も定期的に従業員の方が清掃していました。魚の飼育期間が短いため、清掃時に水槽内の魚を移動させる必要がないことも卸売り企業特有だと思いました。 また、Qian Huでは魚の出荷作業をしました。写真のように水槽から魚を取り出し、袋詰めを行いました。魚をとりだす前には、必ずバーコード付きのシールをもらいます。Qian Huでは、魚の種類や体調等ごとに番号と固有のバーコードをつけて管理していました。シール状のバーコードと水槽に貼り付けてあるバーコードを携帯端末で読み込むことで間違った種類の魚の出荷を防いでいました。車へ積み込む前には、注文書と魚を照らし合わせて、漏れがないか確認観賞魚や一部の食用魚の卸売りを主に行っている企業で、シンガポール国内の熱帯魚店や養魚場だけでなく、世界各国から魚の輸出入を行っています。 写真は、出荷する魚を水槽から取り出している様子です。飼育用水槽には多種多様な生物が飼育されていました。 しますが、あらかじめバーコードで魚種や数を照らし合わせているので、ミスを減らすことができます。出荷先の世界中の企業も同様のシステムを導入しているそうで、東南アジアのデジタル化を実感できました。近年導入したシステムで、バグが起きやすいということでしたが、とても有益だと思いました。 Qian Huでは、出荷だけでなく、魚の管理方法、東南アジア各国の観賞魚養殖の情勢など様々なことが学べました。また、魚の運搬時には、シンガポールの中心地から離れた場所をまわり、その都度自分達も紹介していただきました。現地でしか得られえない情報をたくさん得ることができ、とても充実した研修になりました。 20 Qian Hu

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