澤浦進平 今回、シンガポール国立大学の熱帯海洋科学研究所で私たちは自然環境におけるサンゴと人工的に植えたサンゴの違いを学ぶ貴重な体験をしました。シンガポールのサンゴ礁は、地球全体の海洋生態系と同様に、気候変動や人為的な影響により衰退が進んでおり、その保全が急務となっています。このプロジェクトでは、自然繁殖したサンゴと人工的に植えられたサンゴ、特にマリーナでの環境に焦点を当て、それぞれの生態系にどのような影響があるのかを調査しました。 まず、自然環境でのサンゴとマリーナでのサンゴを比較することで、成長やそこに生息している魚の種類、サンゴ自体の種類や大きさに大きな違いがあることを発見しました。自然にできたサンゴ礁では、多様な種類の魚が共存し、サンゴ自体の種類や大きさも豊かであるのに対し、マリーナでのサンゴは小さく種類も少なかったです。魚の種類も限られていることがわかりました。マリーナで植えられたサンゴは、波の影響や水質の変動が少ないため、生態系全体に悪影響を及ぼすことが少ないと考えられていますが、自然のサンゴと比べるとまだ多くの課題が残されています。また、私たちはシンガポール国立大学内にある博物館の裏側にも足を運びました。取得したデータを使ってサンゴの種類を同定する作業も行いました。これは、サンゴの構造や色を基に分類するもので、私自身、ロジスティクスを専攻している身としては非常に新鮮な体験でした。普段は物流や流通に関する工学的な知識を学んでいますが、今回の研修を通じて、港湾の開発や工事がサンゴ礁やその周囲に住む生態系にどれほど悪影響を与えるかを知り、私の専攻分野とも深く関わっているこシンガポール国立大学の熱帯海洋科学研究所(Tropical Marine Science Institute)は、海洋科学に関する幅広い研究を行っており、海洋生態系の保全や気候変動などに関連するプロジェクトに取り組んでいます。 写真はシンガポール国立大学内でのすすめられた撮影スポットでの1枚です。 とを改めて実感しました。特に、港湾開発が環境に与える影響は大きく、ロジスティクスと環境保全のバランスをどのように取るべきか、考えるべき課題だと感じました。サンゴ礁の保全には技術的な支援が不可欠であると考えます。マリーナにおけるサンゴが将来的に自然環境と同じように機能するようになることを目指した取り組みが進んでいることを知ることができました。 環境問題はここ数年で非常に注目されるようになり、私もこれまで以上に環境保護に関心を持つようになりました。この研修を通じて、環境問題に真剣に向き合っている研究者や現場の方々と直接話をする機会を得たことで、環境保全の重要性を再認識しました。また、自分の専攻であるロジスティクスとの関連性を見つけることができたことは大きな収穫でした。今後も、環境問題に関心を持ち続け、社会全体での取り組みに貢献できるように努力していきたいと思います。 21 シンガポール国立大学 熱帯海洋科学研究所
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