海外探検隊23期生報告書
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久保田慧樹 JETRO (Japan External Trade Organization)は、経済産業省所管の独立行政法人であり、日本の貿易の振興に資するためアジアを中心として現地情勢の調査の他、日系企業の海外進出の支援等を行っています。 訪問時対応いただいた駐在職員の方との写真です。 滞在2日目にオリエンテーションとして、JETRO(日本貿易振興機構)のハノイ事務所を訪問しました。 名刺交換から始まり、研修の初日にビジネスマナーを意識しながらお話しさせていただいた経験は「社会人の方と話す」という点でも非常に勉強になったと思います。 オリエンテーションではベトナムでのJETROの働きやベトナムと日本間の貿易の現状について、多くの資料を交え教わりました。今後1か月のベトナム生活を送るうえで参考となる情報を得るとともに、様々な分野の情報を確実に把握し、海外で働かれている日本人の姿に刺激を受けるとともに、ベトナムの文化に目を向け、現地を知るきっかけになったと思います。 まずはベトナムの政治体制について教わり、最高指導部に書記長、国家主席等、日本では馴染みのない肩書があり社会主義国家にやってきたと強く実感することができました。また、人口の推移やGDPなどの指標を日本と比較するとベトナムが成長を続けている若くたくましい国であると実感するとともに、インフラはいまだに脆弱でありさらなる投資が必要であることがわかりました。 日本との貿易関係では高品質な印象のある日本製製品の人気は根強いですが、自動車産業や家電では日本製というブランドは過去のものになりつつあり、価格と宣伝で圧倒する韓国資本の企業に遅れを取っている現状があることがわかりました。実際に街中には日本車に交じり韓国車も多く、家電も韓国メーカーがかなりの割合を占めていると実感できました。 ベトナムとの国交については1973年のベト ナム戦争和平協定成立から50年以上続いており、ODAでは2位の世界銀行と2倍近い差をつけ1位、FDIでも金額ベースでは日本が1位となっており、今日のベトナムの発展に日本が大きな役割を果たしていることを学びました。日本製品に対する信頼が厚いのは、先人が積み重ねてきた信用の上に成り立っていると実感できました。 日本は人材確保のため外国人の受け入れが重要であり、ベトナム人は有力な候補である一方で円安や受け入れ先の待遇をはじめ、日本に魅力がなくなりつつあり、受け入れ体制の強化など変化が必要であると改めて学びました。 オリエンテーションを通して、ベトナムと日本間の関係性を学び、2国間は長期にわたる交流により信頼関係があるものの、関係維持のためには様々な課題があると実感しました。また、変化していく社会情勢の中で自分が受け入れ先にとっての日本人代表であることを自覚しながら、海外探検隊を通して成長したいという意識を高めることができました。6 オリエンテーション (JETRO)

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