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概要

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台湾大学海洋研究所私がお世話になった数理生態学研究室では、「環境」「生物多様性」「生態系」の3要素がお互いにどのように関係しているのかを数学を使って研究しています。ここの研究室の三木健先生や4人の大学院生、研究生のみなさんに感謝しきれないほどのご指導をいただいて、充実した5日間を過ごしました。初めに取り組んだのは、微生物を使って環境を比較する実験です。いくつかの環境(温度、pH、溶存物など)が似ているかを知るためには、その環境にどのような微生物が生息しているかを調べ比較します。微生物の組成が似ているほどその環境は同じような働きを持っていると判断することができます。私は、台湾大学内にある3か所の池と1か所の土をサンプリングし、それらに含まれている微生物を5日間培養しました。その間、微生物の増殖の様子を知るため毎日データをとり、最終日にはそれらのデータから3か所の池と土の環境は大きく異なることを突き止めました。この実験はサンプリングや培養作業自体は初日で終了し、残りの日は忘れずにデータをとるだけで比較的単純な実験だったと思います。しかし、数日間にわたる実験なので初日の作業で何かミスがあるとその後の培養がうまくいかないし、データを取り忘れると不完全な結果しか得られなくなってしまいます。実験はミスなく確実に行うことが求められること、そして研究というのは地道な努力からなっていることを感じました。また、集めたデータから結論を出せたときはとても嬉しく、この達成感が研究活動のエネルギー源になっていることを知りました。実験を行っている以外の時間は、本や論文の内容について三木先生とディスカッションしたり、授業や研究室のセミナーに出席したりしました。三木先生のご専門である生態学や数学は私にはなじみのない分野で、英語の論文や授業を理解するのはとても大変でした。しかし、三木先生や研究室の学生にいろいろと教えていただき、なんとか頑張ることができました。この活動で印象的だったのは、学生たちの学習への真剣な姿勢です。彼らは、授業中やセミナー中、わからないことがあればすぐに質問をするし、空き時間に先生と討論したりします。自ら働きかけて知識を得ようとする彼らをみて、自分は今まで受け身な学習が多かったことに気が付きました。帰国後日本では4年生に進級し研究室に配属されますが、積極的に勉強にとりくみ、より多くのことを吸収できるよう頑張りたいと思いました。実験や授業などで学生たちと話す中で、専門的な内容について英語でコミュニケーションをとることの難しさを何度も感じましたが、それと同時に根気強く教えてくれる学生の皆さんの親切さに感動しました。皆さんとは勉強以外でも、お昼ご飯を一緒に食べたり大学内を散歩したりして、たくさんの楽しい時間を過ごしました。多くの素敵な人たちに会えたことが、この5日間で一番嬉しかったことです。「次に会うときはもっと色々なことを話せるよう、これからは今まで以上に英語や中国語に積極的に取り組もう」と新しい目標ができました。(加藤 遥)14数理生態学研究室