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概要

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私は漁業族群生態研究室でHui-Yu Wang先生の下、学ばせていただきました。ここでは魚の生活史の変化を調べ、魚の量をモデリングし、漁獲高の統計をとるといった研究を行っています。太刀魚を研究対象として取り扱っており、シャーレに広げた様々な稚魚の中から顕微鏡を用いて太刀魚の稚魚を選別すること、幼魚の耳石を取り出して分けること、卵巣から卵を取り出して全体の個数を計算すること、耳石の標本を研磨する作業など、研究室では様々な体験をさせていただきました。また、サンプリングのために漁港を訪れ、購入した太刀魚にその場でタグ付けし、身の一部を切り取り、DNA解析の準備などをしました。そこでは他の研究室の学生も交えて多くのことを教えていただき、大変興味深く、有意義な時間を過ごすことが出来ました。研究室での5日間、研究活動の体験はもちろんのことですが、特に印象に残ったのは、Hui-Yu先生や研究生達がとにかく丁寧に、自分がわからないことや興味のあることについて教えて下さったことです。コミュニケーションの手段は英語なのですが、比較的平易な英語を使って下さったことなどの心遣いに心より感謝しております。また、私自身、話していてピッタリな表現が見つからなくても、言い換えを用いたり、身振り手振り、表情の変化を用いたりと、伝えるために色々工夫をすればきちんと伝わるのだと学ぶことができました。また、台湾を訪れるより以前に研究室を選択する際、どれも興味深かったのですが、自分が最も希望するところに配属させていただきました。自分が好きな分野であることもあり、研究室や漁港で活動する日々の中で次々と疑問が湧き、たくさんのことを考えさせられました。研究生に質問すると、標本や文献を持ち出して詳しく説明して下さり、知的好奇心が刺激される最高の5日間となりました。この海洋研究所での日々を通し、英語でコミュニケーションをとることに慣れ、抵抗を感じなくなりました。同時に、台湾大学の教授や研究生達ともっと英語で話したい、もっと正確に聞き取れるようになりたいと強く思うようになり、自分にとっての英語学習の明確な目的を見出すことができました。台湾プログラムが終了した現在も英語で連絡を取り合っております。私にとって研究室での経験は、日本国内にとどまらず海外の人々とも交流していきたいと強く願い、行動に移してゆくためのきっかけとなりました。また、研究という、学年が上がっていずれ行うこととなる専門的な活動を、1年生という早い段階から経験できたことを嬉しく思います。なぜならば、研究室に配属されるまでに学んでおきたいことや経験しておきたいことを見出す時間を取ることができ、早期に行動に移せるからです。台湾大学海洋研究所で経験したことを糧に、将来自分はどうありたいかを見据え、さらに学びを深めてゆきたいと考えております。このような機会を設けて下さった小松先生、グローバル室の皆様、台湾大学の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。(世戸口 敬樹)17漁業族群生態研究室