ブックタイトルkaigaitankentai_4
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kaigaitankentai_4
JICA3月14日、私たちマレーシアチームはJICAプロジェクトを行いました。これは、SDBECという、サバ州の生物多様性・生態系保全のための事業の一環で、パイロット地であるTudan村で研修させていただきました。実際に作業を行うTudan村までJICAの現地調査員の方々に連れて行っていただきました。Tudan村までは私たちが滞在したホステルのあるコタキナバルから車で約1時間半、急な長い山道を登ったり下ったりの繰り返しです。どこまでも続く山の景色やパームのプランテーションを見て、ボルネオ島らしさを感じました。Tudan村は、盆地にある小さな村です。豊かな自然に囲まれ、ところどころ舗装されていない道もありました。そこの村の人の多くは農業に従事しています。午前中は、JICAの調査員の方とTudan村のエミさんに連れられ、村の見学をさせていただきました。化学肥料などは用いずに、灰から作ったコンポストを利用してマルベリー(桑の実)などが育てられていました。Tudan村で最も盛んなものの一つが養蜂です。蜂蜜は、村の栽培品の中でも最も高い値段で売れるそうです。針を持つ蜂と持たない蜂の2種類があり、それぞれ蜂蜜の味も少し異なりますが、刺さない蜂であればより安全に作業を行うことができることがわかりました。午後は、エミさんの畑で実際に農作業を体験させていただきました。畑にたどり着くまでは、山の斜面を少し登る必要があります。実際に収穫した時などには、村の人々は道具や何十キロもの収穫した野菜を持って山道を上り下りしなくてはなりません。畑は山の斜面に小さな段々で作られており、私たちは土を耕したり苗を植え替えたりしました。畑が斜面上に作られているので、大きな農業機械を入れることはできず、耕すのも植えるのも全て手作業です。私たちにとっては慣れない作業ということもあり、少しだけ大変でしたが、無農薬・手作業で育てられた立派な野菜をみて、この作業の大切さがわかりました。今回の研修で考えたことは、発展と環境保護をどうすれば両立できるかということです。小さな村では、大きなマーケットの中で売れるような特産品や大量の野菜を栽培することはできません。そこで、私たちはTudan村と似たような村同士の連携により、独自のマーケットを作ることを考えました。どのように遠方の村同士の連携を作り上げるかということや、文化の違いによる対立が起こる可能性などを考えると課題は多いですが、大きくなったマーケットで都市の市場にも出てくることができれば、環境保全に関する教育を行う余裕ができると思います。今回の経験で、1つの村の環境保全と発展を促すために世界がつながっているのを見て、国際協力の大切さを知りました。JICAの日本人の方が現地の方とマレー語で話している姿を見て、グローバルな活動とは、世界の様々な地に適応して活躍できることだと思いました。実際に研修を体験して、私もTudan 村の魅力を伝えていきたいし、JICAの活動に参加できたことや村の人々と知り合うことができたというこのつながりを大切にしていきたいです。(古畑 亜佑美)37