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概要

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Victoria University of Wellingtonこのプログラムは1カ月ニュージーランドのビクトリア大学ウェリントンで現地の研究室に所属して研究体験をさせてもらうことを目的としています。ラボローテーションのような感じをイメージし、まず、相手の大学の教授の方々と連絡をとることから始まりました。自分の興味のある分野、やってみたいことを中心に伝え、1カ月自分に合ったプログラムが完成していきました。私の場合、4年生からの研究室で分子生物学的な知識を必要とする予定だったので少しでも予習になればと思い、Molecular Biologyに所属している先生たちに声をかけていただきました。現地では、滞在していた4週間のうち2週間ずつ2つの研究室にお世話になりました。最初に実験方法などのラボワークを教えていただき、後半でパソコンでのデータまとめの方法や論文の作り方などを教えていただきました。最初の2週間は藻類の研究をしている先生のラボでDNA抽出、PCR、電気泳動などの実験方法を教えていただきました。PhDの学生に教えていただきながらラボ―ミーティングに参加したり、学生の研究発表を聞いたりと、実際にそのラボに所属しているような生活をおくっていました。後半の2週間はボラの集団遺伝学をやっている研究室でお世話になりました。藻類と魚類で対象物は変わりましたが、最初の2週間で学んだことをベースとしてその流れでパソコンでのシークエンスの方法やそこからのグラフの作り方など、どのようにして論文を作っているかを中心に教えていただきました。2つの研究室にお世話になりましたが、完全にそれぞれ関係のないことをしたわけではなく、1カ月を通して研究というプロセスを体験させていただきました。1カ月という期間なので短いと思う人もいるとは思いますが、現地でしか経験できないこと、感じることができないことがあると改めて私は思いました。私は、この1カ月の中でWhat do you do?と色々な人によく聞かれました。日本にいると出身大学や専攻を聞かれることはあっても、この質問をされることは少ないと思います。私は、正直、この質問にしっかり答えることができませんでした。しかし、ニュージーランドにいる間、出会った人ほとんどの人にこの質問をNice to meet youというような感覚でされました。さらに突っ込んだ質問をしてくる人も多くいました。でも、この質問をされるたびに自然と自分は何がしたくて、何をしているのだろうということを繰り返すことで、自分も考え、意識するようになりました。What doyou do? をしっかりと考えるきっかけになりました。他には、英語漬けの毎日だったので、もちろん英語で話すことに慣れることや、日本では経験したことがなかった実験を実際に一人でやるという経験を海外ですることができ、充実した毎日を送ることができました。しかし、たくさんのことを学んだ中で一番心に残っているのはWhat do you do?の大切さです。これからは胸を張って自分の研究テーマについて、自分が今何をしているかについて話せるように日々を送りたいと思います。(増田 有紀)45