ブックタイトル海外探検隊_6
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海外探検隊_6
2週間という研修期間、ヤンマーに研修生としてお世話になった私たちは、そのうちの一週間をケミカル班として過ごしました。この部門では、化学的な立場から、エンジンの性能データ収集、バイオ燃料の開発などに取り組んでいます。私たちは、この研修を通して、研究現場で必要な知識、バイオディーゼル生成の過程を教えて頂いたのはもちろんのこと、空いた時間には、新たな研究に取り組むときの姿勢や、社会に出て働くことについての思いなどもお話していただきました。ケミカル班としてラボに入り、まず私たちは、薬品の整理について学ばせて頂きました。薬品の中には、取り扱いを誤ると危険なものもたくさんあります。そのため、どの薬品がどれだけ残っているのか、いつ購入したもので、それはまだ使うことができるのか、といったことが日頃から正確に管理されていることがとても重要になります。私たちは、戸棚に入った薬品を一つ一つ取り出し、ラベルを確認後、前回の資料データと変わっている点がないかを確認していきました。新しく購入して増えたもの、使い切ってなくなったものがあればそのことを用紙に記入していきます。とりわけ、危険物の収納されている戸棚を管理する場合には、注意をはらって管理を行いました。薬品の管理は、どんなラボでも必要な基本的な作業であると思います。社員の方々には、自分たちが使っている物を正確に管理して研究を行うことが大切なのだと教えていただきました。私たちは、次にバイオディーゼル生成の工程を学ばせていただきました。R&Dセンターでは、このバイオディーゼルの研究にも大きな力を注いでいます。マレーシアで有名なパーム油はもちろん。ジャトロファという南米原産の樹木から効率よくバイオ燃料を生成する研究にも挑戦していました。触媒の洗浄と活性化、バイオディーゼルの前段階となるFAMEの生成。そして、バイオディーゼルの生成。各ステップで、ガラス器具の中で、物質がどのような反応を起こしているのかを一つ一つ説明しながら実験を進めていただきました。最初は濁ったどろどろの液体であった物が、工程を重ねるごとに、懸濁物が除去されていき、最初の姿からは想像もできないような、黄色に輝くバイオ燃料が生成されました。純度の高いバイオディーゼルを得るためには、より長い時間と、労力をかけて生成を行わなければいけないそうです。新たな燃料の実用化をめざし、未知の領域に踏み出していくことは、上手くいかないことももちろんあるそうですが、企業が新しい研究をしている場を見て、素晴らしい取り組みであると感じました。今回の研修の最終日には、ヤンマーの社員の方々を前に、最終プレゼンの模擬練習をさせていただく機会がありました。R&Dセンターは、定期的にプレゼンを行う場が設けられるそうで、プレゼンテーションのプロの方々を相手にするのは、本当に緊張しましたが、発表後に頂いたフィードバックが最終プレゼン成功への大きな助けになりました。内容のみならず、構成の仕方、発表の時の話し方に至るまで、様々な貴重なアドバイスを頂くことができました。ヤンマーの研修では、R&Dセンターの方々に本当にたくさんのことを学ばせて頂きました。今までに経験したことがないくらい内容の濃い2週間だったと思います。研修後には、このような充実した内容の研修を用意してくださったヤンマーの方々への感謝の気持ちと同時に、以降の活動や生活に対し、より意欲が湧いてきました。私たちにとって貴重な2週間の活動でした。(寺内 脩真)29ケミカルチーム研修