ブックタイトル海外探検隊_6
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海外探検隊_6
今回私はサバ大学のDNA研究室で二日間Azniza先生の下、研究の一部を体験させて頂きました。Azniza先生の研究テーマは、森林フラグメンテーションが哺乳類動物に及ぼす影響についてです。マレーシアでは、パーム油やカカオなどのプランテーション農業が盛んで、森林を破壊して農場が多く作られています。そのため、小さな森林の塊が散在するようになりました。この小さな森林の塊を森林フラグメンテーションと呼びます。Azniza先生はコウモリをサンプルとし、各森林フラグメンテーションのコウモリの皮膚と糞のDNAを抽出し、コウモリが森林フラグメンテーション間を移動しているかを調査しています。移動していなければ、コウモリの遺伝的多様性が低くなり、弱ってしまい、最悪の場合絶滅することもあります。Azniza先生はこのことを研究対象にしているそうです。私が体験させて頂いたのはDNAを抽出する作業です。抽出作業は専用のキットを用いて行いました。印象に残ったのは小まめに毎回ノートに作業工程を書き出していることです。まだ、研究室に所属していない自分にとって毎回同じ実験手順を実行するたびにノートに書くことは考えられませんでした。正確な実験を行い、正確なデータを得ることの重要さとそれを継続していくことの大切さを学びました。(秋庭 陽介)私がお世話になった研究室では、コケやサンゴ、薬草、ヒル等の身近にあるものを分析し、新規化合物を探し出し、その新規化合物が癌等の病気に対抗するかをさらに分析するという研究をしています。私は今回、鎌田先生と大学院生のSteveさんに教えていただきながら、研究のお手伝いをしました。研究室で行ったのは、マレーシア内で採集された3種の薬草の分析です。まず、薬草をちぎって三角フラスコにメタノールと一緒に入れて一晩放置し、次の日に薬草の成分が溶けだしたメタノール抽出物を取り出しました。このままだと量が多いので、エバポレーターという装置を使って濃縮しました。濃縮の作業は何回も行いました。次に、TLCクロマトグラフィーを使用して、物質を成分ごとに分離しました。より深く分析するための作業が続くのですが、私は分離までの作業をさせていただきました。探検隊に参加した時は1年生だったので、研究室でどんな作業が行われているか全く知りませんでした。一日中薬品を混ぜて研究しているのかと思っていました。しかし、使用する装置にも限りがあるので、待ち時間も長く、意外に地道な作業なのだと感じました。地道な努力こそが新たな発見につながり、私達の生活に役に立っているのだと身に染みてわかりました。とても貴重な経験となりました。サポートしてくださった皆さん、ありがとうございました。(近藤 晏琳)特別講義最終日はハッピーフライデー(休日)にも関わらず、鎌田先生、八尋先生、伊尾木先生から東南アジアで発見される新規化合物やウィルス、森林について、さらには、マレーシア国立サバ大学へ来るまでの先生方の経緯についてのお話をお伺いしました。講義後には質問をする機会があり、一つの質問をすると十の答えが返ってくるほど先生方は様々なことを教えてくださいました。この講義を受けて、様々な分野に興味を持ち、先生方のように多方面から物事を見ることができる人になりたいと思いました。海外探検隊プログラムでは、日常生活で体験できないことをたくさん経験させていただきました。プログラムにご協力していただいた方々、このような機会を下さった小松先生を始め皆様、本当にありがとうございました。人生の中で最も充実した一カ月を過ごすことができました。 (秋庭 陽介)講義名言集リスクを恐れることがリスクである自らの得意分野を伸ばせ自分の常識は世間の常識ではないDr. TAKASHI KAMADA 研究室Dr. AZNIZA 研究室31