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概要

海外探検隊_7

企業研修:ヤクルトYakult東京海洋大学と香港大学の学生4名は、ヤクルトの製造から販売に至るまでを社員の方々と行動を共にしながら学ばせて頂きました。今回の研修が前回までと異なる点は、海洋大と香港大学の学生が共に研修に参加したことです。その時々で日本人の私が考えもしないような発想をし、積極的に意見を述べる香港大学の学生によって、さらに質の高い研修になったと感じます。また、私達も日々行動を共にすることで彼らから刺激を受け、良い経験になりました。研修の最初にヤクルト創始者の代田博士の理念、香港での創業、工場や本社の歴史まで多岐にわたる説明をお聞きし、事前の調べではわからなかったことも学ぶことができました。その後、ヤクルト飲料の品揃えや価格調査のため、販売店の巡回に同行させていただきました。香港ヤクルトでは商品の陳列を販売店が行うのではなく、直接ヤクルトの社員の方々が行います。自社の商品の販売管理を徹底し、売り上げを伸ばす工夫をされていました。日本とは異なった納品方法を新鮮に感じました。最後に工場で製造工程や製品管理についての話をお聞きしました。1つの製品がどの原料からいつ製造されたのかを容器で識別できる仕組みについてなど、工場ならではのお話は大変興味深いものでした。工場見学では私達も従業員の方と同じ制服で工場内を歩くのは、さながら私たちがその場で働いているようにも感じられました。一方で私の想像を超える工程の数々と厳しい製品選定には目を見張るものがありました。また、工場の従業員の方々は笑顔を絶やさずきびきびと仕事をされ、仕事に対する姿勢や自社製品への自信を様々な場面で見ることができました。続いてヤクルト飲料をホテルで提供してもらうための市場開拓活動にも同行させていただきました。何度も足を運び数々の交渉を重ね、最終的に商品を取り扱っていただくまでには大変な苦労があることを社員の方からお伺いしました。同行したホテルでの実際のやりとりには張り詰めた緊張感があり、今までの研修とはまた違う一面を経験させていただきました。交渉の結果、契約に結びつくことも数多くあるそうです。社員の方のお話の中に、困難が伴う仕事への誇りを感じました。研修最終日は、販売促進活動の一環として、各店舗に無料で貸し出す小型冷蔵庫にヤクルトのロゴを貼りつけたり、国際的な水球大会でヤクルトのブースを設けてヤクルトを宣伝する活動を行いました。香港ヤクルトの松岡さんから、香港ヤクルトが業績を向上し続けるには、いかにその国に合わせた商品展開ができるかが肝心であるというお話を伺いました。海外で事業を展開するには、現地の声に耳を傾け、また社員の方とも積極的なコミュニケーションを行うことが重要で、日本でのやり方をそのままを取り入れては上手くいかないそうです。ヤクルトの研修を通して、海外に進出し続け香港に根付いた企業の活動や基盤となる信念を肌で感じ、その時々で浮かんだ疑問や意見を話し合いました。開放的な環境の中で自分の考えを示すことができたことは大きな自信となり、グローバルな環境への憧れがより強いものになりました。今回の研修で得られた全てのことを今後の学生生活の中で積極的に活用し、将来へとつなげていきたいと考えています。(津田 一樹)10