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概要

海外探検隊_7

SWIMSでの研修は、私たち4人全員には未知の経験でした。私にとって、研究活動は憧れで、1年生ながらこのような経験ができたことはまさに夢のようでした。私たちはSWIMSの寮に5日間滞在しながら、研究のお手伝いをしました。その際、香港大学の学生4人とペアになり、それぞれがサンゴと共生藻類の関係を調べる研究・海洋での生産力を調べる研究・クマノミの生態研究・カキの温度変化に対する適応性の研究・巻貝の生態研究という全部で5つの研究に携わりました。1日目から3日目まで、私と香港大生のテレントは、研究者のフィルさんのサンゴの研究をお手伝いをさせていただき、サンゴに付着する藻類の植物細胞と、サンゴの動物細胞を分ける作業をしました。テレントと他所からインターンシップで来ていた学生の3人で行い、協力し確認しながら作業を行うことで、より理解を深めることができました。また、3年以上前から冷凍保存されている採集物を分類する作業を行ったのですが、なぜそんなに長時間保存するのかと聞いたところ、「採集物の量が多く、サンプルを作る時間が足りないためだ」という答えが返ってきました。地道な作業から、多くのデータを集めることが、いかに大変で、時間がかかることなのかということを実感し、その大切さに気づくことができました。大きな研究成果を残すためには、こつこつ努力することが重要なのだと感じました。また、4日目には巻貝の研究のお手伝いをしました。40℃の高温にも耐えられる種で、今後温暖化が進み最後に残る生物は、この種かもしれないという説明を受けました。温度計で、岩の温度・巻貝の表面・内部の3か所を測定し、その結果からデータを作成する作業を行いました。私たちは30個測定しましたが、研究者のテレンスさんは毎日100個測定しているそうです。SWIMSの方々は、皆さん研究対象(サンゴ・カキ・巻貝・クマノミなど)が大好きです。研究対象に対して愛情を持ち、好きであることが研究を続けていく原動力になるのだと感じました。SWIMSの皆さんはとても優しくフレンドリーで、研究活動以外にもパンケーキを作って下さったり、海へ行ったり、バーベキューもしてくださいました。今回が私にとって初めての海外渡航だったのですが、不安が和らぎました。私たちは感謝の気持ちを伝えるために、日本食のお餅を振る舞いました。とても喜んでいただけて嬉しかったです。私がSWIMSで過ごして驚いたことは、世界中から研究者・学生が集まり、香港内からも多くの学生がインターンシップに参加していることです。特にサンゴの研究のお手伝いの際、私とテレントをサポートしてくれた学生は、私と同い年にもかかわらず、サンゴの知識、実験器具の扱い方など詳しく知っていて、衝撃を受けました。今まで私が考えていたインターンシップとは企業で行うことだったので、研究所という選択肢があることは目からウロコでした。私は、大学院進学を考えていて、研究を行うことに興味があるため、大学在学中に研究所でのインターンシップに挑戦したいと思っています。今回の経験を通し、研究活動への具体的なイメージを持つことができ、楽しさも学ぶことができました。研究したいという思いを再認識し、今後の学びへの意欲が高まりました。(中村 柚咲)研究室研修:香港大学 太古海洋科学研究所The Swire Institute of Marine Science(SWIMS)12