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概要

海外探検隊_7

私たちはアリの分類学の研究室に配属されました。東京海洋大学で船舶運航について学んでいる私には、もちろん未知の分野。はじめは本当にできるか心配でしたが、Bakhtiar先生は私たち初心者にもわかるよう、基礎から丁寧にアリのことを教えてくださいました。具体的には、アリに関する説明を受け、顕微鏡でアリを観察し、そこからアリを種類ごとに分類し、アリの標本を作りました。道を歩いているアリを今まではなんとなく見ていただけの私にとって、顕微鏡でアリを見るのはもちろん初めて。アリの体の部位をよ~く見ながら分類しようとしました。が、なかなか難しい。Bakhtiar先生は苦戦している私たちにも、ひとつひとつ優しく親切に指導してくださいました。アリの体でとても重要なのがアンテナです。今回はアリの研究室にたまたま配属されましたが、今後も普段あまり関わることのない分野にももっとアンテナを張っていこうと思いました。そうすることで、また新たなチャンスを得られるのではないかと感じました。ITBCでも多くの先生方・学生さんにお世話になりました。日本の大学生活では得ることのできない刺激をたくさん受けた1週間でした。1週間の短いUMS生活でしたが、「あたたかさ」をものすごく感じた生活でした。私たちをサポートしてくださった皆さん、本当にありがとうございました。日本にいらしたときは私たちが喜んでサポートします。(古澤 利賢)Dr. BAKHTIAR EFFENDI YAHYA 研究室22昆虫採集と標本作成は、ボルネオ島の特殊な自然環境を身近に感じながらの活動でした。ブルネイの学生たちと、大学の敷地内にある森の中で昆虫を採集しました。昆虫は羽が4枚、足が6本という共通の特徴を持っています。森の中は様々な虫が生息していました。1mmに満たない小さな虫や、指の大きさぐらいの大きな虫まで様々でした。蚊も多く、とても暑い中長袖を着用していても所々を刺されてしまいました。蟻やバッタ、甲殻を持つ虫や蝶、蜻蛉等、大小を問わず採集していきました。捕獲後、蝶や蜻蛉などの羽が特徴的な虫は、羽が崩れないように紙で包み、蟻はアルコールを満たした器に保存、甲虫等はアセトンを充満させた瓶に保存しました。標本を作る際は昆虫それぞれの特徴が分かるように足、羽を広げ、関節部を固定したり、腹部を支えるよう、左右対称になるよう気を付けながらピンを打つ作業をしました。その後、専用の乾燥機に入れました。昆虫の体内から水分を飛ばすことで昆虫の関節部などが固着し、ピンを必要としなくなるということでした。私たちは、標本室を見学させて頂きました。標本室は見たこともないような珍しい昆虫の標本の山でした。標本室は室温や湿度が厳重に管理され、標本がびっしりと棚に整理して格納されていました。標本室はサバ州の多様性とその重要性、貴重な資源であることを学べる空間でした。(中村 伸二)昆虫採集・標本作成