ブックタイトル海外探検隊_7
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海外探検隊_7
研究室研修:国立台湾大学 海洋研究所Institute of Oceanography National Taiwan University(IONTU)Observation-Modeling Group (詹森 先生)国立台湾大学海洋研究所への学生派遣は5回目になりました。メンバーが別々の研究室に配属され研修を行いました。研修に先立ち、IONTUで全体オリエンテーションが行われ、両大学の海洋研究者から最新の研究紹介がありました。私は海洋研究所の中でも海洋物理学研究室という所に配属されました。海洋物理学とは海洋環境の変化と生態系の変化について調査したり、台風の観測を行うなど、様々な分野で構成された学問です。本研究室では主に、台風の観測と海洋環境の変化がサンゴに与える影響について研究をしていました。私は今回の研修で、与えられた海水温の変化のグラフや文献などをもとに、海洋環境の変化がサンゴに与える影響について調べ、まとめるといった作業を行いました。1年生という早い時期から高度な研究に触れ、話を伺えたことは私の将来を考える上で非常に良い経験となりました。語学を学べるだけでなく、自身の興味のある分野について、知識や興味を深めることができるこのプログラムは、自分の将来について考える良いきっかけになると考えます。このプログラムを通して、語学や勉強に対する意欲も上がり、より多くのことに挑戦したいと思うようになりました。また、現地の方々と過ごす日々はとても楽しく、充実したものでした。本プログラムを経て、人と人との繋がりの大切さを改めて実感しました。このプログラムは、先生方や現地の方々のご協力と、周りの学生たちの支え合いがあるからこそ実現できるものであり、一人で経験することはできないものです。このような貴重な機会を得ることができ、参加して本当に良かったと思います。この素晴らしい経験を将来につなげるためにも、努力していきたいと思います。(坂本 さら沙)26Fisheries Ecology Lab (王慧瑜 先生)私の行った研究は、台湾の湖に住む淡水魚の「耳石」という器官を化学分析にかけ、環境の状態や変化を知るというものです。私は、2015年3月、同研究室にて別の研究活動を経験しており、もう一度訪問したいとの思いから再度志望しました。本研究で対象とした湖は、市街地に近い湖1か所と、山間部の湖2か所です。そこで採集されたコイ、フナ、ドジョウの頭を解剖して耳石を取り出し、その耳石を標本にしました。耳石というのは、魚の頭部にある石のような器官であり、魚が生きている間は水中の化学物質を蓄積し続けるため、環境の状態や変化を知る指標となります。耳石の標本を化学分析にかけ、蓄積された10種類の元素の割合をグラフにし、考察を加え、台湾大学の教授や学生の前で発表しました。この活動を通し、研究とは地道な作業の積み重ねでありながらも、自分次第で深く掘り下げられる興味深いものであると感じました。僕たちの活動期間は短く、研究活動の入口を知ったにすぎないのかもしれません。しかし、早い段階で研究とはどういうものかを知り、本当に夢中になれる、密度の濃い日々を過ごせたことを、大変嬉しく思います。これは、今後の研究室選択、ひいては将来の仕事について考えてゆく上で大変役立つものあり、非常に貴重で実りある経験をさせていただきました。王慧瑜先生や研究生、支えて下さったすべて方々に深く感謝申し上げます。(世戸口 敬樹)同行教員:片野 俊也 (海洋環境学部門 准教授)