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概要

海外探検隊_7

ノード大学では「Aquaculture for Billions -Surely butSustainably- 」というプログラムで、SustainableAquaculture(持続可能な養殖)について学びました。プログラム初日は、大学の臨海実習所で行われている一般向けの教育イベントに参加し、ノード大学の研究施設を見学しました。その後の5 日間は、K i ron先生のコーディネーションにより養殖に関するそれぞれの分野の専門の先生方から、さまざまな角度、観点から見た養殖についての講義を受けました。私たちが受けた直近の1週間のセルマック社での研修プログラムに合わせて、サーモン養殖に関わる内容を多く取り上げてくださいました。海外の大学で勉強することは、私にとって非常に新鮮な体験となりました。ノード大の講義室は海洋大に比べて小さく狭いのですが、その講義室の数が多く、少人数で行う授業に力を入れている印象を受けました。講義中は学生と先生の距離が近いので質問がしやすく、私たちが受けた講義はディスカッション形式で意見交換が活発に行われていました。また、さまざまな学部のあるノード大には、ヨーロッパを中心とした各国から学生が集まって来ています。討論形式の授業では日本人とは異なる立場からとらえた、多くの意見を聞くことができました。ノード大学の施設や多国籍な学生たち、先生との距離の近い講義など、勉強する環境が海洋大とは大きく異なり、非常に貴重な体験をすることができました。ノード大学の先生方の講義では、養殖を新たな視点から見渡すことができたと思います。 世界規模でみると、養殖が目指すべき目標は高く、さらに遠い未来のことまで視野に入れるべきであることに気づきました。今まで日本のスケールで物事を考えていた私にとって、養殖の重要性を意識する大事な機会となりました。例えば、世界の人口増加に伴う食糧不足に際して食料を提供する役割や、自然や消費者に配慮しつつ、持続可能なものにしていかなくてはならない責任です。 ノルウェーではSustainability(持続可能性)に関わるサーモン養殖の研究が多くなされており、その生産量を増やしつつ、持続可能にするための取り組みが講義内で多数紹介されました。日本の養殖にはないスケールでさまざまなことに取り組まれており、サーモンの養殖にあるように、養殖は世界規模の食料のサプライヤーになる可能性があると強く感じました。このプログラムはSustainable Aquacultureについて学ぶ非常に重要な機会であると同時に、自分の学びを考え直す貴重な時間となりました。養殖には責任があり、持続可能な養殖に向けて研究すべきことは非常に多く残されています。私は現在、海洋大の大学院への進学を決めており、今後2年間日本で養殖を研究する予定です。国内のことばかりに目を向けるのではなく、広い視野で学ぶことを忘れずに取り組んでいきたいと思います。そして、ノード大学で学んだことを胸に、養殖がもつ責任と同時に、その可能性を意識して研究を続けていきたいと強く思いました。(川村 恭子)研究室研修:ノード大学 バイオサイエンス&アクアカルチャー学部Faculty of Biosciences and Aquaculture (FBA)34