ブックタイトル9kiseihoukokusho
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9kiseihoukokusho
34探検隊での約一カ月にわたるプログラムは長いようであっという間でした。リサーチプログラムとは異なり一週間ごと、さらには一日ごとに変化していく内容はとても刺激的で日々新たな発見に溢れていました。香港大学、SWIMS、アモイでの研修とそれぞれ様々な気づきがありました。特にアモイでの研修が印象的でした。工場見学は初めてだったので実際に工場で機械が動いている様子や製品が出来るまでの工程を見ることが出来てとても興味深かったです。普段私たちが使っているものがどのように作られているのかを知ることができましたし、将来働くかもしれない食品企業の現場を見ることが出来たのは、これから就職や研究室など様々なことを決めなくてはならない中でとても参考になりました。また、この研修を通して将来の選択肢が広がりました。それは食品企業での部門の多さ、その役割の多様性を知ることができたことももちろん、物事を考えていく上でのアプローチは1つではないと思えたからです。マーケティングの話の中でマーケティングの4pについての質問を受けました。マーケティングには4つのポイントprice, product, promotion, placeがあってどれが一番大事かというものでした。みなさんはどれが一番大事だと思いますか。この質問に答えはありません。どれも大切なのです。私たちはよく選択を迫られ、何か決めなくてはならない、正しいもの、bestのものを選ばなければならないと考えるばかりに他の可能性を消してしまっているのではないかと感じました。また、生活していく中で香港の独特の雰囲気を身をもって体験することができました。香港はまさに人種のるつぼ、様々な人々が暮らし、それに伴い様々な文化があり、それぞれが混ざり合って新たなものが生み出されていると街を歩いていても感じることができました。全員食品学科ということもあり、話題の中心は食品に関わることでしたが、そこでもやはり香港独特の文化を感じることができました。手巻き寿司に様々な具が入ったものや、卵焼きをお好み焼きのようにしたものなど、日本食としてはないけれど美味しいものがたくさんありました。日本に住んでいると各国の料理が混ざり合ったというようなものはあまり見ないのではないかと思います。そういったことからも香港という国の包容力、そして外にむけて開かれた国であることを感じることができました。また日本は特殊なのだなと感じることが多かったです。例をあげると、教育に関して今はほとんどの国で英語での授業が行われていますが、日本ではそのほとんどが日本語のままで行われています。ただ、英語での授業が多いから日本でもすべきという単純な発想で日本について批判的になるのは違うと思います。当然、その国の母国語で行う方がその本質に関しても深い理解をしやすいと思いますし、日本に住み、日本語で生活している人にとってはより受け入れやすいと思います。しかし、それは当然どこの国でも同じことで、それでも英語での授業が行われるのは、ほとんどの国が陸続きで外に開かれた国であるからだと思います。そういった意味では日本は非常に排他的だなと感じました。食品生産科学科 2年リーダー 山主麻由