スタッフ紹介
(取材:グローバル人材育成推進室)
学内で担当されている仕事について教えてください
本学の海洋科学部、新設の海洋生命科学部、及び海洋資源環境学部では、4年次への進級に必要な必修科目の単位取得要件にTOEIC L&R 600点以上のスコアが指定されています。つまり同学部で4年次へ進級するためにはTOEIC L&Rで 600点以上取る必要があります。所属する学生が3年次の進級認定日までに必要なスコアを取得し、自身の専門を深めていくために必要な教育プログラムの運営を行なっています。
TOEIC(Test of English for International Communication)は、英語圏でビジネスパーソンが日常で出合う英語を想定し、出題されています。ビジネスシーンや日常生活の場面を中心に、聞く(Listening)力と読む(Reading)力を図ります。主催団体のデータによると、受験者の社会人平均スコアが600点強、また、一般企業が社員に求めるスコアが450点~600点と言われています。そこで、大学生のうちに、TOEIC600点のスコアを取得しておくことは、ある程度英語力があるという指標になります。
TOEIC600点突破という課題は「英語力の強化」であり、「グローバル人材の素地作り」であり、また「課題解決力の養成」と考えています。実際に登壇するTOEIC講師の先生方、関係各方面の方々、学部や専門を越えた多くの方々と連携を取りつつ、学生たちの学びを支え、これらの取り組みが国際競争力の底上げへとつながることを願いつつ、業務に従事しています。
これまでの英語の学習歴、ご経歴を教えてください
小さなころから洋画が好きでよく見ていました。学校生活の大部分を広島で過ごすなか、高校で1年間米国へ交換留学をし、現地の公立高校を卒業しました。大学は法学部に進み、卒業後は玩具メーカーで企画開発を担当しました。その後、情報伝達マーケティングを学ぶため、その分野で最先端である米国の大学院へ留学しコミュニケーション学を専攻しました。修士号を取得し、帰国後、首都圏の大学や企業でTOEFLやTOEICなどの資格試験を指導してきました。
TOEIC L&Rの指導の他、TOEFLではスピーキングやライティングの指導を得意としてきました。自分自身が試験の点数が上がらず悩んだり、異文化で時に悔しい体験通して学んだりしてきましたので、同じ学習者として、学生に対し適切な指導ができるよう心掛けています。
その他の海外滞在経験は、大学生時代はベトナムでのインターンシップや、大学院時代は中国南京大学でのメディア研究プログラムなどに参加し、それぞれ現地に数か月滞在しました。
海洋大学の学生が英語力をつける意義はなんでしょうか
私は、グローバル人材の素地を「世界のどこにおいても、自分のビジョンを相手に伝え、共に新たな価値を創造することができる人間」と捉えています。
みなさんには、貴重な資源である海を取り巻く環境を守り活用すべく、各国各機関との協力体制を築ける人材になってほしいと思います。そのために、学生生活の早い段階で、ツールとしての「語学力」、語学を代表する「英語」を徹底的に強化し、伝える力をつけましょう。これはその後の情報収集力にもつながります。
例えば1年次でTOEIC600を超えることを目標に英語の基礎力を養い、続く年次では、英語で書かれた文献を読む、海外経験や実際に英語を使う体験を通し、自身の専門に結びつく英語力を身に付けていくといったタイムスパンが理想です。英語で仕入れた情報を自分の頭で処理し、自身の研究結果や周辺情報を加え、それらを英語で発信する―このようなサイクルで世の中に広く貢献し、影響を与えていくことを目標にがんばってください。
これからTOEIC600点を目指す海洋大生にメッセージをお願いします
本学には、TOEIC対策の指導において非常に定評のある講師の先生方が揃っています。ただし、1週間に1度の限られた授業時間内のみでは、絶対に足りません。
まず英語学習を自分の生活に取り込みましょう。1日のうち、決まった時間、(例えば、朝起きてすぐ、コーヒーを飲みながら、バイトから帰ったらすぐ、夜寝る前、など)に30分必ずTOEIC用の勉強をする時間をつくりましょう。これをまず3日続けてみてください。がんばってもう1週間続けることができれば、だんだんと、学習が習慣化してくるはずです。TOEIC600を一緒に目指す友だちや仲間をつくり、毎日何をどれだけやったという報告をし合うのも勉強が続くコツです。(※これは本当に効果があります。LINEグループを作成し、日々の報告と励ましを行なっていた学生たちは、所属メンバー全員1年次で600点を超えました。)
TOEICの勉強は、やればやっただけ、結果がついてきます。ただし、勉強をはじめて結果が出るまでには時間がかかります。早めに行動を開始すれば、その分、600点取得の日は近くなります。
TOEICの専門的な知識と指導力を備えた講師たちによる授業、そして授業時間外での学習時間の確保により、早めの目標スコア取得を目指しましょう。
最後に、プライベートの過ごし方について教えてください
3歳まで、瀬戸内海の小さな港町で過ごしたこともあり、海が大好きです。休みの日は、水族館に行ったり、運河沿いを散歩したりしています。これまでもダイビングの資格を取り沖縄 座間味でウミガメと泳いだり、フィリピン セブ島でジンベイザメとシュノーケリングをしたり、アメリカ アラスカでベルーガの群れを見たりしてきました。実現させたい夢は、魚以外の海や川の生き物を育てる、ウミガメの孵化を見る、イルカの群れと泳ぐなど、まだまだやりたいこと、見たいものがたくさんあります。ひとつひとつ、叶えていきたいです。
海外旅行に行っても、現地の方々とコミュニケーションがとれると、便利で楽しくお得なことがたくさんあります。自分の人生経験を一層豊かなものにする手段としても、英語を利用していきましょう。
ありがとうございました
鈴木 瑛子(すずき ようこ)
東京海洋大学特任准教授。ジョンズホプキンス大学(Johns Hopkins University)大学院コミュニケーション学修士(M.A.)。著書『スピーキング・ライティングのためのTOEFL iBT ®テスト必修フレーズ100』(テイエス企画)、『TOEFL ITP®テスト 完全制覇』(ジャパンタイムズ)など。TOEIC ®L&R990点。